オレには何の力もない、世にはびこるクソみたいな連中を倒す力も、誤った道に進んだ友人知人をただす力も、納得のいかない作品へのアンチテーゼになる上に面白い作品を作る力も。オレに出来る事は、地獄に行く事だけかも知れない……。
いえね、「誤った道」うんぬんは、かつて中核派にオルグされた知人の女性を救えなかった慚愧の念から。マー、その時はオレ自身の身を守るのがせいいっぱいだったけど。それと、友人に「ネトウヨ」っぽい反中国にかぶれたのがいたり、絵やマンガの才能がありながら、中途半端な遊びを覚えて挫折したのがいたりしたので。
あと、「納得のいかない作品へのアンチテーゼになる上に面白い作品を作る力」だが、単に納得のいかない作品を罵倒するだけじゃ世の中明るくならないと思い、作品に昇華出来んか模索していたものの、全然出来てない。それだけ、オレは無力だってこった。オレ個人が無力なだけならまだいいが、このままどんどん世の中が荒廃するのを黙って見ているしかないのは、しのびない。「みんな死んでしまえっ！」と思った事も、一回や二回ではない。と、同時に「オレがひとりで死ぬ方が、話が早いか……」とも思ってしまう。この感情が持病によるものかも知れんので、正当性はないに等しいが。
しかしだなあ、「それはまずいんじゃないか？」とか、「そんな事言わんでもいいのに」とか思った話ばかりがまかり通っていては、自分がいかに無力か思い知るし、この先どうなるか考えたら、暗澹とした気分にしかならんわっ！ オレはしょせん「信者のいない麻原彰晃」（つまり、ただのバカ）だから、このまま世の中に責め殺されるしかないのかも知れん……。
