ツイッターで、「萌え絵」について議論(?)がかまびすしいが、ちょっと待ってくれ。「萌え絵」ってなんかね? オレは随分前からそれが気になって、「自分では使わないが、相手の言い回しをそのまま使う時にはカギカッコでくくる」と言う文法にのっとり、カギカッコでくくって「萌え絵」と使っている。「今時のアニメ風な、可愛らしい女の子の絵」だろうと思うんだが、「萌え絵」を攻撃する側には、オレが漠然とそう思っている絵とは別に、邪悪な何物かが見えているらしい。皆さん、ちょっと落ち着いて。
以前、こんな絵をツイッターに貼った。
「萌え絵」を攻撃する側に、これを見せてやりたいが、見てくれないだろうなあ……。
とか書いていたら、ツイッターに、下記のツイートが。
たぶん「萌え絵」を、今ある程度納得できる形で定義することは限りなく難しいと思うけど、「表現」としての変遷、言説などをしらべてどう語られてきたかなどを研究することは非常に意味がる事だと思う。卒論のテーマとしてもいかがでしょう?
— 稀見理都@「エロマンガ表現史」(太田出版)発売中 (@kimirito) 2018年10月27日
定量的アプローチとしては、いろんな年代、性別、国籍の人に、ランダムにいろんな絵を「萌」「否萌」で選んでもらって、数値的な萌の境界線を探ってみる、と言うのもありかも。その次は、AIに萌をディープラーニングしてもらうとか… やれる事はたくさんあると思う。
— 稀見理都@「エロマンガ表現史」(太田出版)発売中 (@kimirito) 2018年10月27日
かつて「萌え」登場時に「わび・さび・萌え」と呼び慣わされていたような感性の次元の様式だけに、「萌え」を定量化するのは「わび」「さび」並みに手こずりそう。
— ClaraKeene (@clarakeene) 2018年10月27日
「萌え絵」、「初期フランドル派」とかみたいに時代・場所でざっくり区切った呼称にしたらどうかな。
— ClaraKeene (@clarakeene) 2018年10月27日
かように「萌え絵」の定義と言うものは曖昧すぎるし、現段階で線引きも難しかろうから、迂闊な事は言えますまい。叩く側も擁護する側も、自分の感覚を信じすぎかなと思うのだ。
それはそれとして、「萌え絵」を叩く側の絶対的な自信はなんなんだろう? こんな言葉は使いたくないが、あれが「暴走する正義」と言う奴なのかしら……。