走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

「萌え絵」に文句を言う前に

・絵本・児童書の“萌え絵”論争――「子どもに悪影響」の声に、児童文学評論家が反論

 いろいろ興味深い話があった。特に「そもそも、本屋にある子ども向けの本に、ろくでもないものは売っていません。みんな牙も爪も抜かれているから(笑)」と言う点に。これって結構シビアな話で、そう言う事になったのは、今回の絵本や児童書の絵柄に文句を言う類の連中が引き起こしているのではなかろうか?

 大正時代、作家の鈴木三重吉は、長女の誕生を機に子ども向けの良質な本の必要性を感じ、児童文芸雑誌『赤い鳥』をはじめた。当時の子ども向けの本に低俗さを見出しても、「こんな本売るな!」と抗議するだけで終わらせなかった鈴木は作家として偉かった。なんでこんな話をするのかと言うと、今回児童書の表紙などの絵柄にケチをつけていた連中には、鈴木ほどの創作や商売のセンスがまるでないと指摘したいからだ。「文句を言う前に、あんたらが子どもに良いと思う本を作って売ってみなはれー!」と言いたいけど、それは出来ない相談かも。下記のブログ記事にも書いたけどな。

a-katu.hatenablog.com

 なんで出来ない相談かもと言うと、前述のように文句言ってる側には、創作や商売のセンスがないからだ。それがあったら、ツイッターでぐずぐず言ってたりしない。鉄板で。当人は「良かれ」と思って言っているのかも知れないが、どうもズレてるような気しかしない。児童書に関してのみ言えば、鈴木三重吉のような前例があるんだから、それにならってもバチは当たるまいに。

 またこのツイートを引用するが、「萌え絵」(に見える)絵は児童書に相応しくないと言うなら、どう言う絵柄が相応しいのか? それは誰がどうやって決めるのか? と言う点の説明をオレは聞いた事ない。もし、そう言う線引きを明確にしている者がいれば、耳に入っていてもおかしくないし。その線引きを一番簡単に示せるのが「自分で作る」って事なんだが、前述の通り抗議する側にはその辺のセンスがないに等しい。だから作って示したためしもない……。繰り返すが、だから出来ない相談なんだけど。