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いきなり電子書籍マンガレビュー『走れ! Gじいさん』

 最近、縁持ちましたる今木商事id:manga-imaking)さんの新作『走れ! Gじいさん』をレビューする。この作品は描き下ろしで、今木さんのツイッター*1でも一部が連載されていた。

 このマンガは、急逝したあと自宅のゴキブリに転生した主人公「五武 力之介」が、トラブルで自家用車の中に閉じ込められた孫の「小花」を助けるために奮闘すると言う内容だ。タイトルに「走れ!」と付いているように、話の全体に疾走感と言うか、勢いよい流れがある作品。流石はプロのマンガ家の作品や、話の流れが悪くなりがちなオレは見習わなくては。

 ところで、ゴキブリに転生した主人公は、どっちかと言うとショッカー戦闘員のようなタイツ服を着たじいさんの姿で、途中で表紙のような強化アーマーを着けた姿になる。その姿がアメコミっぽいんだけど、今木さんアメコミにも造詣が深かったような。

 あと、ネタバレ覚悟でストーリー全体を評すると、話が進んで行くうちに主人公の生前の姿の多面性が出て、そこでしんみりした。また、輪廻転生を話の骨子に据えてるんだけど、近年今木さんは仏教系のマンガをよく描かれているので、面目躍如ではあります。

 ここからは余談。今木さんが以前描いた『バーバ』と言う作品を、なかせよしみid:y_nakase)さんがレビューされた時、主人公が奪衣婆に変身する時にお経を唱えるシーンを「微妙」と言っていたけど、それじゃレインボーマンの立場がありませんよ。そういや『バーバ』は悪人を断罪する痛快な話なのに対し、今回の『走れ! Gじいさん』は「ろくでなしの善行」の話とも言えるんだよな。マンガ家は、こう言う対照的な話を描き分けられてこそなのかも知れない……。

 『走れ! Gじいさん』のBOOK☆WALKERの配信ページの埋め込みを、下に貼っておきますので、興味のある方はどうぞ。

bookwalker.jp

*1:えっくす? はっ! そんなの知らん! あそこはツイッターでいいの!