走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

またしても、オリジナリティ幻想

 下図のキャラについてから、題名の話に入るので、お付き合い願いたい。

 以前、この絵を人に見せたら「ジャンボーグAロビンマスクを併せたような姿」と言われたよ。そう言われれば、胸はロビンマスクの鎧っぽくもない。

すぺくとる
ふらっしゅ

 ……言ってる場合か。実はそんなにキン肉マン超人っぽいキャラは描いてなかったが、もうちょっと描いてみようかしら……待て。『キン肉マン』と言う作品が、それまでのヒーローのパロディからスタートしたものだから、オレが今やってる事とベクトルは変わらんな。こんな事ばかりしてると、あの世の成田亨が怒りそうだが、あの人はキングジョーをデザインする時にまず「ふつうのロボットを描きます」とやったが、それはのちに多くの人から「いや、ふつうに描けるシロモノではありません……」と絶句されたではないか。レベルが違い過ぎる。この話を思い出す度、巷間あふれている二次創作をどう見るかにも思いをはせちゃうのよ。成田の考えで言うと、二次創作は歓迎されるものではなさそうだしな。成田は作風が二次創作と言うか「他人のフンドシで相撲取りまくり」なところがある河崎実監督に、結構付き合っていた*1みたいだけど……。成田亨が二次創作を嫌がってそうと言うのは、下記記事で触れた「アイディアは、自分で考え出し、くふうしてこそよいのです」から連想して。

a-katu.hatenablog.com

 一方で、みなもと太郎の「マンガはパクリの文化です!」と言う言葉にも、一理あると思ってるのよ。今や日本のマンガ・アニメ・ゲーム系のコンテンツ*2は、相互に影響しあっているからなあ。それもあって、オレはオリジナリティ幻想とでも言うものが、最近は害悪になっている気がして。何かっちうと、すぐ「パクリ」認定する短慮な連中を見てると、ねえ。ただし、ここで成田亨がマンガ家でなく、美術界の人と言う事は忘れてはならない。しかしだ、今の「パクリ」認定は、マンガ以外の美術における(成田も恩恵を受けた)「正規の美術教育」に相当する部分さえ否定しかねない事になりそうで。書いても書いても漠然とした話になってしまうが、成田ほどの才能も実績もない素人衆のオリジナリティ幻想は、逆に創作の幅を縮めてしまいそうに思えて、つい……。

*1:デザインを提供していた。

*2:特撮も含まれる。