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いきなり電子書籍マンガレビュー『まほうのつえ』

・まほうのつえ

 これは、去る3月21日に行われた「創作同人電子書籍」いっせい配信にて配信された、山名沢湖氏の作品。概要は、とあるきっかけでアイドルライブにハマった社会人女性「越高さん」が、日々の中で「アイドルが嫌いだった思春期の自分」と対峙する事にもなって……と言うもの。題名は越高さんが「魔法の杖」に見立てていたペンライトの事なのだが、それは「思春期の自分」と言う悪魔をも呼び寄せたのだ。

 若い頃に好きだったもの*1から離れて、長じてふたたび「好意的に」接する話は多いが、長じてハマった趣味が若い時に嫌っていたものだったと言うのが、この話のポイントだと思う。今の越高さんと思春期の越高さんの年齢の差は分からないが、そんなに遠くないのでは。だから展開も作者本人が言うようにビターなものだが、もし年齢の差がもう少し離れていたら別の展開があったろうな。過去に否定していた行為を自分が取る事をどう思うか、どう折り合いをつけるかが変わるはずだし。こんな言い方をするのは、オレが最近自分の思春期にどう向かい合うかでのたうち回っているからだ。そんな時、この作品に出会って、いろいろ揺さぶられている……。うう。こう言う読み方がいいものかは知らんが、感情移入した点が「過去の自分とどう向かい合うか」だったのよ……。

bookwalker.jp

*1:物でも、者でも。