今では考えられないが、かつてマイナーなゲーム誌には読者間の文通を促すコーナーがあったりもした。そのひとつで、文通コーナーに載った者に嫌がらせの手紙を送りつける輩への警告が載せられた事があり、それを読んだオレは「なんちう酷い事をするんじゃ、その心理が分からん」と首をひねったものだが、今となっては人間の悪意や嫉妬の賜物だったんだろうなと思う。それだけむかしのオレが、悪意や嫉妬に疎かったと言う事か。あるいは、家庭に横たわる悪意を見たくないあまり、認知的不協和みたいなものが起きていたか……。どっちにしても、世の中の悪意なんて、15~16のガキが背負うには重いものではあろう。うーむ。
ネットで悪意や嫉妬から来る酷い言葉を嫌でも見る破目になる今日この頃の人心が急に荒んだわけではなく、むかしから他人を攻撃せんと気がすまない者が少なからずいたと言う事なんだろうなと、書いてて思う。ネットは雑誌と比べ、悪意を閉め出すフィルターが弱い気はするけど。それもあって、悪意を見せつけられる頻度が増えたのは否定出来ない。あと「本音」と言うものに対し、あまりに期待しすぎな気もする。「建前」じゃなくて? と言われそうだが、オレには「本音」をズバッと言っているように見える連中への期待が、ネットをはじめメディアの言論も歪めているように見えるんだ。この辺、オレの中で整理出来てないけど。何にせよ、オレはお人好しすぎた。一方で、悪意を警戒しすぎて身動き取れない自分もあるんだけど。
てなわけで、この話はここまで。オレの中の人間への期待と失望を、どうバランス取ったらいいのか分からなくなっちまったのでな。