走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

むかしがそんなにいい時代だったわけでもなければ、今が取り立てて悪い時代と言うわけでもない

 こないだパオロ・マッツァリーノさんの『歴史の「普通」ってなんですか?』を買ったので、今読んでいる。オレはパオロさんの著書などから、題名にも書いた「むかしがそんなにいい時代だったわけでもなければ、今が取り立てて悪い時代と言うわけでもない」と言う考えに至った。しかし、それを説明しようとしたら、ネットで「過去を糾弾するのか!」みたく陰口を叩かれた事もあったわ! なんでよ。問題のない時代はないと言う前提からでしか、歴史は語りえないと言うのに……。

 パオロさんの本と同時に『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』も買ったが『不敬……』の方の序文と凡例だけでお腹いっぱいになり「この本はもっと体調がいい時でないと読みきれん」と判断した。パオロさんの本も『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』の両方も、埋もれた史料を丹念に掘り起こして書かれたもので、こう言う作業は大切だなと思う。しかしそれが、この先期待出来んかも知れんわい。いささか旧聞に属するが、百田尚樹野田洋次郎とか言うバカの古文・漢文の否定や、広島市内の丸善ですら「ネトウヨ」御用達のクズ本であふれている事や、YouTubeで胡散臭い歴史を語る動画が跋扈している事を思えば。パオロさんや『不敬……』『反戦……』の作者髙井ホアンさんが、史料掘り起こしをしなくなると言うわけでもないけど、前述の「過去を糾弾するのか!」みたくオレの事を言ったバカは、百田尚樹高須克弥やはすみとしこなどに付くんだろうなと思うと……。嘆いてばかりもいられんが、オレにはどうする事も出来ん。とか書いていたら、泣けて来た。なんで「むかしがそんなにいい時代だったわけでもなければ、今が取り立てて悪い時代と言うわけでもない」と言う考えより「戦前の日本は素晴らしかったんだ! ワーワーワー!」と言う声の方が強いんだ今の日本では。おまけに、ここで何を言っても誰にも届いたためしはないし。それでも言いたいから言っているけど、それより百田や高須みたいなバカと刺し違える算段をした方がいいかも知れんと言う恐ろしい考えが出る時だってありますよ。実現性めっちゃ低いから、すぐ引っ込めるがな。

 オレの絶望を酌んでくれる者がもうちょっといて、その者たちと一緒に現実に状況をよく出来ていたら、こんなにげんなりもしないだろうが、それが出来てないから嘆くのであって。下記記事にも書いた梶原一騎の「じぶんの信念を世の中にさからってもつらぬこうとする人間はどうしても一匹オオカミになる」と言う言葉を覚悟せんとならんのかも知れん、そろそろ。

a-katu.hatenablog.com

 あくまで「世の中にさからっても」だけど、オレはそんなに世の中に逆らっているつもりはねえのになあ。どうしてこんな事になってしまったんでしょうね?