上記記事の最後で「インセル」について項をあらためて書くと言ったので、書く事にする。とは言え、下記ツイートでリンクされているニューズウィークの記事で言われてるケースとはニュアンスが違うかも知れないが。だからカギカッコでくくったんだけど……。
女性蔑視主義者「インセル」は「不本意な禁欲主義者（involuntary celibate）」の略で、恋人がいなくて禁欲を強いられているのは女性のせいだ、と考えるオンライングループの男性を指すことが多い。 / “カナダで「童貞テロ」を初訴追──過激化した非モテ男の「インセル」…” https://t.co/sJcoeW9fVZ
— Oricquen (@oricquen) 2020年5月21日
それにしても「オレがモテないのはどう考えても女が悪い！」と言う思想こそ身勝手すぎる。オレもモテないが、そうは考えないようにしていたのに。その理由は、オレの親父がミソジニーむき出しの男だったので「こうはなりたくない」と思っていたのと、「オレがモテないのは、オレが悪いんだ」と思っているからなのとで。マー、自分が悪いからモテないんだと言う事をずっと考えていたら、自己嫌悪が悪化するけど。だからと言って「インセル」が正当化されるわけではないが。いや、正直頭抱えてるのよ。こうまで身勝手な思想もありますまいと、この記事書くため前述のニューズウィークの記事に目を通したら強く思ったし。だけどオレも、五歩くらい間違ったら「インセル」化していたのかしらと……って、酷い奴を見たらなんでもかんでも自分に引き寄せるのも良くない気が。時には「わからんわからん理解出来ーん！」と言って、そこから考える必要もありそうだ。今回は特に。モテないだけでなく「自分に未来はない」と強く思うと、誰でも「インセル」みたいなやけっぱち思想になるんじゃないかと言う気はするが。オレもその意味では人の事言えんし。オレもどんだけブログなどで、世間に毒づいてきたか。
それでも言うけど、ネットが悪意の接着剤になりやすいとは言え、なんだよこれは！ とまで書いたところで、げんなりして放置していた。「インセル」的な思考があまりに身勝手すぎて、言葉が出なくなったからだ。ところで、この記事で身勝手と言う言葉を繰り返しているのは、恋愛は相手のある事だが、モテない事は相手だけをなじっても解決しないもんな。それがあるから身勝手と。さりとて前述のとおり「自分に未来はない」と言う気持ちが強くなると、やけっぱちな考えになりもするだろうけど……。だから身勝手ではあるが、これまたそれをなじるだけでは解決せんような。ネットで怨念を募らせると言う行為が「インセル」の身勝手な思考・思想の炎に、おびただしいガソリンを投入する結果になったんだろうけど。なんでネットは、善意の接着剤にならないのかしらねー……。
しかし「愛されたい」と言う願望を「全ての者」から奪う事も、とても乱暴な話なので「誰も願望や欲求を持つな」とは言えない。いえね、一瞬そう言いそうになっちまって。このブログで何度も、オレが恋愛を捨てそれ以外の幸せを見出そうとして上手く行かなかったと言っているのも、結局無理やり自分の「愛されたい」願望を捨てようとして失敗したからではと思うからだ。「身勝手な男は、女から愛されようと思うな」と断じるのもまた、身勝手な気がしてねえ。と言うか、このブログでいろんな話をして来たが、聞いてくれる者も少ないし、話が広がった事も少ない。オレ自身の恋愛を捨てた事によるさみしさにしても「猫を飼うと言うのは？」ってコメントが来たくらいだし。それには、無責任に飼いものが出来る立場じゃないと言う旨の返事はしたけど。こうまで話が広がったり繋がったりしないなら、言わないのと同じだと思った事もあるが、ブログのアクセス解析を見るに過去記事を見てる者はそこそこいるみたいなんで、まだあきらめん方がいいのかもな。
それはさておき「インセル」ですよ。前述のニューズウィークの記事に出て来た殺人犯に同情するつもりはないし、ネットで女性への恨みを募らせる行為については「バカか、てめえ」と思う。だが問題はどうやって連中の怨念を無効化するかだ。諸星大二郎の『夢見る機械』の「夢見る機械」みたいなものかVRなどの発展を期待するしかないんかなあと思ったが、グレタ・トゥーンベリさんじゃないけど「まだ完成してない技術」に期待しすぎてもねえ……。
