ツイッターで「sailormoonredraw」と言う、あるシーンのセーラームーンを基に描いた絵を挙げるハッシュタグが流行った。それが最初に出て来た時、オレはツイッター見てなかったので残念ながら参加出来んかったが、それはさておき「sailormoonredraw」に出て来たある絵についての一連のツイートを見ていただきたい。
「目が細くつり上がってたり、鼻が潰れてたり、唇が分厚かったりしない標準的で美しく描かれた顔を持つキャラみんな白人!有色人種達は白人に憧れてばかりいないでちゃんと貴方達の特徴を正しく描こう?大丈夫、自信持って!その個性は美しいんだよ!」
— 雨野マヒロ (@mahironoame) 2020年5月21日
地獄への道は善意で舗装されてるとはこのこと https://t.co/ghGbioVK5h
「ディズニープリンセスの日本人コンプ酷すぎ!白人キャラはドデカ鷲鼻でケツアゴで老け顔にしなきゃ!いくら日本人に憧れてるからって鼻も顎もシュッとした可愛い童顔お姫様ばかり描いてちゃダメだよ、そのケツアゴも鷲鼻も、本当はとっても美しいものなんだよ?」
— 雨野マヒロ (@mahironoame) 2020年5月21日
って日本人が言ってたらどうよ
セーラームーンをみんながいろんな絵柄で描くやつ面白かったのに、またアニメ絵は白人に見えてうんぬんみたいな話題(欧米人の一部がやる、おかっぱで目の細い化粧っけのないアジア人というステレオタイプを出すのが多様性だと思いこむ最悪の差別)が出てきてオエっとなる。
— まくるめ (@MAMAAAAU) 2020年5月21日
これに限らず、差別を解消するという建て前のもと、力を行使して別の差別を行っているという展開が最近多すぎないか。それ自体もまた差別という認識の見返しがないと地獄への道まっしぐら。 / “外国人が東洋人っぽく描いたセーラームーンへのリアクションに「みんな彼女を…” https://t.co/hcIN4qshw4
— nakakzs(中杜カズサ) (@nakakzs) 2020年5月22日
そのイラストを描いた本人は後のツイートで 私はこのチャレンジに参加すべきではなかった。って嘆いてるんだよね。 まぁ、こういうアーティストが描きたい絵を自分の持論に歪めて利用する奴とか世界中に居るんだよね。
— 迂闊十臓🔞『チャクラ監督』 (@ukatujyu) 2020年5月21日
最後のツイートがズンと腹に来た。だってね、絵描きの端くれとして言わせてもらえば、自分の描いた絵を「描くんじゃなかった」って公言するのは、相当深刻な事態ですよ。確かにあれじゃ褒めてるんじゃなく、むかし街宣右翼が竹下登にやってた「褒め殺し」じゃないかとしか思えん。その意味で中杜カズサ氏や「まるくめ」氏の指摘は正しい。それはそれとして、今回の件の背景にも「アニメ絵」は目がでかいからダメと言う没論理があるのかも。だとしたら、キレるぞコノヤロウ! オレがこの場でキレても、誰も怖がらないだろうけどにゃー。話を戻そう、なんでこう言う没論理がまかり通るんだ。そう言う奴らを地獄の底へまっしぐら、楽しさいっぱいダイビングさせてやりたい。と言うかさあ、上記ツイートの件で嫌な事を芋づる式に思い出して、非常に気が滅入っているのよ。ファミ通はじめとする、ゲーム誌での暴言の数々とかな。詳述しようかと思ったけど、怒りに身体がついて行かなくなり、そうもいかん。まったく、どいつもこいつも! 確かに「アニメ絵」を好み、さらには描く人も多い。だから「sailormoonredraw」が、世界的に流行りもするんだろう。しかしオレは「アニメ絵」が嫌いな奴に、いつ殺されるか分かったもんじゃないと言う恐怖が消えんのだっ! だからと言って「ならば返り討ちにするしかない」と言うのも悪手なんだろうが、長年いろいろボロクソに言われて腹に据えかねているのも事実なのよ。こんな話をしたって、状況を好転させられるとは思っていない。だが、絵描きの端くれとして今回の件は辛いし、それに「多様性」ってなんなのと言う疑問がまた強くなる。悔しいなあ……。
と、書いていて、オレは世間のドアホどもに左右されず、自分の好きな絵を描く事こそ今回の件に限らず「アニメ絵」disをする連中へのいい仕返しになりそうな気がして来た。今までもそう思って描いてはいたんだが、なんかますますその思いが強くなって。確かに、中杜カズサ氏らの取り上げた話で話題になってる絵は「アニメ絵」ではないが……。