走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

アホな想像力

 ご存知のとおりオレはむかし、今よりずっと孤立していた。そのためいろいろ物事を、想像のみで考えていた時期がある。たとえば1988年に中学を卒業して、家事手伝いなどしていた頃「今のオレは4歳くらいと同じ状況で、こう言う逆行が続くと二十歳には産まれる前の状態に戻る……、つまり死ぬのではなかろうか?」と恐怖した事があった。誰もマトモに相手にしてくれんし、家族すら助けてくれんかったら、どうしてもね。今にして思えば、どう言う想像力の使い方なんだとツッコミも入れたくなる。あの頃オレにはなんにもなかったと思っていたが、想像力はあったのね。これを物語を作る方に向けて、それなりに努力していれば、もうちょっと出目があったろうに……。今、サブカルビジネスセンターでマンガを描かせてもらえてはいるが、その前に商業デビューなと出来てたかも知れん。確かに商業誌で描くのは、生き馬の目を抜くどころの騒ぎじゃねえけどな。

 ところで最初に書いた「自分の運命はある段階から逆行していて、数年後に死ぬのでは」と言う想像、オレのオリジナルではないかも知れん。いえね、兄貴の影響で読んでいた小説やマンガにおけるSF短編やショートショートが血肉となって、いやな想像に繋がったのではと……。メディアの影響うんぬんと言うより、ストーリーテリングを学んだと言うか。繰り返すが、そこを物語を作る方に活かせていればねえ。マー、藤子・F・不二雄のSF短編みたいなものを描きたいのかと言われたら、「NO」と言うしかないけど。何が悲しゅうて、あんなひねくれた話を描かにゃならんのじゃい。……書けば書くほど悲しなって来たわ、想像力がおまんまにならなかった事も、かつて想像力が孤立を慰撫する方向に働かなかった事も。後者は、オレが想像の世界で幸せになっていたら、兄貴が「ひとりでにやにやすんな!」と殴って来たのが続いた挙げ句なんだが。