今回は、絵やマンガの実践的な面についての内省をしてみる。端的に言うと「なんで描かなかったの」と言う事になるんだけど、その理由をぐずぐず言っても仕方ない……。恨みつらみにしかならんからな。周囲に振り回されたりいろいろあったとは言え、描くのは自分なんだから……。親にまきざっぽでぶちのめされつつ「マンガ家になれーっ!」と、言われていたわけじゃありませんし。しかし若い頃「描く側」の人間との接点が薄かった故に、実際に描くノウハウを仕入れるのが大幅に遅れたのも事実なんだよな。それはサブカルビジネスセンターに通うようになって、逆に骨身に沁みている。あそこが、ここ数年のオレの絵のレベルの底上げをしてくれたので、余計に前述の実際に描くノウハウの仕入れが遅かった問題を感じるのだ。誰ぞの言うように、マンガ家はひとりではなれないものなのだろう。
他にも、オレの実践的な面の問題は、服のシワをはじめとする細部へのこだわりの薄さが大きい。「パキッ」とした線でシンプルな絵柄が好きなのはいいが、シンプルな絵柄とて細部に凝らんと単調でのっぺりしたものになっちゃうんだよ……。ぬおおおお。そう言う事は繰り返し描いて少しずつ身に着けるものだけど、オレは描く回数が少なすぎた気がする。だから最初に「なんで描かなかったの」と……。それは周囲に理解者も同好の士もいなかった時期があったり、それらへの接点を得るのが遅れたりしたせいだよ! 実質ネットに拠点を置く事で、やっと絵描きマンガ描きとしての人生がスタートしたのかも知れんし。同好の士などとの交流も、ネットからはじまったと言えなくもないからな。「ネットやる以前の事を、悪く捉えすぎなんじゃないか、お前……」と言われそうだけど、その頃の絵描きマンガ描きとしてのオレは、ホントいい事少なかったんだよ……って、実践的な面の話じゃねえな、これじゃ。こう言う風に辛い過去をぐずぐず言ってばかりだから、オレの作品はパッとしないのかも知れんけど、言いたくもなるよ。ノウハウの話だが、他の人の作品を参考に、模写などの練習する事もあまりしてなかったな。それには、今は口に出したくない理由があって……内省編と言うより、自分の古傷を更に傷つけているだけの気がしてきた。
(続く)