走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

腹案は、人に言うもんじゃない……マンガ家の場合は

 腹案と言うか、自分の中のアイディアを、マンガ家は迂闊に口にしない方がいいのかも知れない。と言うのも、腹案を公言したら、それで満足して描かない場合だってあるし、人から「それはやめろ」と言われて描けなくなる場合も考えられる。ええ、経験者は語るってやつです。さておき、その意味でも貝塚ひろしの「この世界はな、実際に描いた奴の勝ちなんだよ」と言う言葉は正しい。どんな駄作・凡作でも、描いたら世に出せるからな……。

 してみるとオレが『爆烈戦隊チャレンジャーズ』や『ちくワワ』を描き続けられているのも、まず一回描いたからだろう。今までぐずぐず言いすぎた、そこは反省しておる。両作とは別の新作も描きたいが、体力・スケジュールともに余裕がない。いや、出来る限り多くの作品を残す事を考えた方がいいな。難しいけど。しかし50になって、絵やマンガを描く力がこれまでの人生で一番備わっているのは何故だ。それまで持病の統合失調症のせいで、いらん苦労したからか? それともオレは遅咲きの運命だったのか? ……理屈を言うのはよそう、作品を描かねば。

 前述の「どんな駄作・凡作でも、描いたら世に出せる」件だが、オレはオレの作品を自ら駄作・凡作だとは言わない。完成させただけ偉いと思うので。それに、描いて発表しなければ自分の弱点も見つからんし。発表して見つかった自分の弱点と言えば、思うところあってサブカルビジネスセンターのツイッターで発表した『ある日の乗鞍家』を読み返したら……。初期から中期にかけては技術的な拙さが見て取れ、凍り付いた。あそこでメキモキ腕を上げたつもりが、今にして見ればまだまだだったとは。しかし、前述のとおり「実際に描いた者勝ち」なのがマンガの世界。「上手くなってから描く」では、いつまで経っても発表出来んのだ。だからオレは、他人の作品に迂闊に「下手だ」とは言えないんだよ。オレも言われるの嫌だもん。って、腹案を迂闊にしゃべらず、実際に描くしかないのがマンガ家の性(さが)なのかも知れんと言う話をするつもりが、例によって大脱線ではないか。ウーム……。