昨日、こんなツイートを見つけた。
昨日の感染確認が47人で、泉岳寺クラスターとか言われてるという話をしてたら、19歳長男も、もうすぐ16歳の長女もぽかん。「ほら、四十七士。赤穂浪士の」と言っても通じず、「忠臣蔵だってば。討ち入り」に、「なにそれ」「知らん」と返されて茫然。十代には大石内蔵助も殿中でござるも通じない。
— 大森望 (@nzm) 2020年6月14日
これを見て、オレはこんな事を。
前から思っていたが、赤穂浪士の討ち入りの話が廃れたのは「お上に逆らわなくても異議申し立てが出来る世の中になった」からで、むしろ喜ばしい事では。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2020年6月15日
ここでオレは、赤穂浪士の討ち入りとは言っているが、忠臣蔵とは一言も言ってないよ。忠臣蔵は物語としていろいろデカい話なんで、語りようがない。ひとつ挙げるとすれば、以前ラジオで『刃傷松の廊下』と言う歌を聴いた時「君(きみ)、君たらずとも臣(しん)は臣」と言うくだりがあったのを知り、これは廃れてもいい概念かなと。でもここは、忠臣蔵の肝心な点でもあるんだよな。「たとえその行いが間違いでも、主君の無念が残ってるなら晴らさねばならないから、行動した」と言うのが。だから「忠臣」蔵なのよね。それは現代ではむしろ有害な観念かも知れないけど、そう生きざるを得ない者たちがいた時代があったのは忘れてはならん気が。それはさておき、最初に挙げたツイートから発生したもろもろのツイ―トを、下記に貼りつける。
忠臣蔵が知られていない案件。
— 朱鷺田祐介 (@TokitaSuzakuG) 2020年6月15日
ゲーム学校で歴史の話をしようとして、今の若い人は消化するべきコンテンツが多すぎ、NHKの大河ドラマすら誰も見ていないので、江戸期の物語の解説はシンドい。
FGOかDMM系アニメになれば、知名度は上がる。
300は見ていずとも、テルピュライの戦いは通じる。
お芝居や講釈の忠臣蔵をむかしのみんなが好きだっただけなのを、活歴の赤穂事件を評価語彙の基礎にしちゃったせいでズレすぎてしまった点とかもあるからね。髷もの=歴史ものにしすぎてしまった悪影響
— 氷厘亭氷泉 (@hyousen) 2020年6月15日
— クロカワ (@naname30) 2020年6月15日
今この瞬間にも公開されていく創作物のほとんどがまず目を通してもらうことさえ難しいというのに、昔からあるというだけで古典が知られて読まれていなければならないなんてことはないんですよね。
— 長串望 (@nagakushinozomi) 2020年6月15日
時が経てば経つほど、読みたいものが増えれば増えるほど、不利になる。
だからこそまず目に入って手にとられて興味を持たれる、というきっかけが大事なんですよね。
— 長串望 (@nagakushinozomi) 2020年6月15日
きっかけさえあればあとは好きな人は沼に沈んで行きますから。
そこまでしなければならないのかと言えば、別に忘れ去られてもいいんですよ。というか多くは好事家以外には忘れ去られてるんですから。
— 長串望 (@nagakushinozomi) 2020年6月15日
でもそれらが忘却されることの肯定は、自らもまた忘却されるということの肯定なんですよね。これはなんだか、寂しい。しのびない。
今のゲーム学校の生徒さん(18-20)には、すでに『魔法少女まどかマギカ』ですら小学生の頃の作品ですので、必ずクラスに何人か見ていない人がいる。場合によっては昔放送していた『実は、すごいグロいらしいアニメ』という反応もアリ、時の涙を見た。
— 朱鷺田祐介 (@TokitaSuzakuG) 2020年6月15日
毎回そうだけど、「つくりたいねー」「つくれないねー」って次元ではなくて、世代間会話とかでの「つうじないコがいるねー」って側面のはなしで出て来てばっかりなんだよね。忠臣蔵だのの話題。だから、現勢の有名な「作品」や「番組」にそれが無いねー、って次元のはなしでしかないのよね。
— 氷厘亭氷泉 (@hyousen) 2020年6月15日
「意識的な勉強や知識なしで特定の同じストーリーや作品についての話が通じる」ってこと自体が日本の感覚ではもう重層的につくれてないし、有機的には形成できてないでしょ。
— 氷厘亭氷泉 (@hyousen) 2020年6月15日
前に「40年前に時代劇が担ってたものを今は異世界転生ものが担ってる」っていう雑な話をしましたが、例えば私の好きな垣見五郎兵衛のくだりみたいな「忠臣蔵に出てくる面白い要素・アツい要素」は、現代の作品にも受け継がれて楽しまれてるんですよね。クリエイターは自分の好きなものを
— 白樺香澄 (@kasumishirakaba) 2020年6月15日
いかに「今、新しい層にフレッシュなものに見せかけて受容させるか」の戦いを常にしてるわけで、自分の慣れ親しんだ古い革袋にしがみつくばかりで「次の世代のエンタメ」があることを否定しちゃいけんのですよね。
— 白樺香澄 (@kasumishirakaba) 2020年6月15日
だから私も来週あたりから悪役令嬢転生コロンボ書きますので。
オチとしてこのツイートを載せておく。
忠臣蔵。Twitter で定期的に不完全燃焼をおこす物質になりつつある
— 好翁 (@yosiow) 2020年6月15日