「ホームレスが避難所に来たら怖い。何されるか分からない」と放言する芸人がいたが、横浜浮浪者襲撃殺人事件を挙げるまでもなく、ホームレスが理不尽な暴力の対象となる事件はしばしば起こっている。ホームレスが「普通の人」を襲うより、「普通の人」がホームレスを襲う事例の方が多いのではないか。
— じこぼう (@kinkuma0327) 2019年10月17日
このツイートを読んで、ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドン放浪記』を思い出した。1930年代……世界恐慌の爪痕も生々しく、第二次世界大戦の足音も迫る頃のロンドンでも、今で言うホームレスはむやみに恐れられていた。だがオーウェルは、本当にホームレスが危険なら、収容所が少ない人員で集めたホームレスを押さえ込めるわけがないと見破った。他にも『パリ・ロンドン放浪記』には、今も語られてる社会問題や格差についての記述があり、オレがはじめて読んだ*12006年ですら、「これじゃ今も変わらず酷いよ」と思ったものだが、2019年の世界はもっとアレなんじゃないか?
2006年と言えば、まだ惟任さんは生きていて、『パリ・ロンドン放浪記』読了後、彼に格差の拡大への懸念を話したら、「格差があろうと、むかしのそれよりはマシだ」と取り合ってくれんかった……。今、格差が拡大しているって事は、むかしの格差を埋めるために払われた努力はなんだったんだと言う話ではないかと思ったが、そう言って聞く相手ではなかったろうな、彼は。「そんな風に考えるな!」と言って、黙らせようとするのは必定。それにしても惟任さんは、「そんな風に考えるな!」とは言っても、これこれこう言う理由を込みで「それは違う!」とは言わなかったなあ……。おまけに死に別れたとあっては、後悔ばかりが。惟任さんの話はおいといて、格差の拡大の問題である。『パリ・ロンドン放浪記』で言われているような時代……いや、もっとむかしに逆戻りしようとしているのであれば、オレの将来はどうなるんだ。ここら辺は自分だけの問題じゃないが、つい。自分の問題より大きな話をすると、前述のように「過去に払われた努力はなんだったんだ」と言う疑問が出る。それが水の泡になるなら、オレは泣くしかない。誰を悪者にしても解決する話でもないし。だが、日本の「自己責任」真理教徒とでも言うような連中が「遠いむかしへ逆戻り」する事で得をする*2んなら、そ奴らのありつこうとするごちそうに、さんざんばら糞をひり散らかして死ぬ算段も必要ではないかと。
最初のツイートからだいぶかけ離れた話になっちまったが、オレは今の世の中で枕を高くして寝られるご身分ではないんでね!
*1:実は、カマヤン(id:kamayan)さんにご恵投いただいたおかげだったり。