走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

夢見る機械

 世の中がこのまま行けば分断と統制が進み、諸星大二郎の『夢見る機械』に代表されるような、個人個人の生命維持と与えられた自己満足を供給される一人用のシェルターかなんかに入って暮らさなければならないかも知れない。それは究極のディストピアではなかろうか? 今のオレはむかしほど未来も人間も信じちゃいないから、どうしても極端な予想になっちまう。マー、以前から今は亡き惟任さんに、「そんなSFを書くならまだしも」と言われる程の極端な未来予想をしてしまってたが。少し脱線するが、惟任さんにあんなこと言われた時「オレはSFの話ではなく、現実の話をしてるんだ」と言い返せなかったのが悔やまれる。脱線終わり。

 冒頭の予測は『夢見る機械』を知らなければ意味が通じにくいし、ある程度肉付けしてディストピアSFに出来ん事もないが、諸星大二郎みたいに上手いこと描く(あるいは書く)自信はない。だいたい、そんなSFを描いたところでオレのフトコロは潤わないし、世の中で起きている分断や統制が止まるわけでもないし。反対に、分断や統制を止められるほどの力を持った物語を作れるなら、余生の全てを注ぎ込んで作ってやるが……。

 現実および現在の分断や統制についてだが、現在のインターネットの利点である「理論上は全世界に繋がる」と言う点を、どこの国の為政者もいやがっている気がしてなあ。前にも言ったけど、それが世界中のネットに壁を張り巡らす事になりかねんし。対抗しようにも、日本の言論も巧妙に統制されているみたいな感じが、日々強まっているし。例えば、ダウンロード違法化と言う形での著作権法改正に反対する声が出て来たら、「心配はない」と誰かが言い出して、反対の声に水がさされたし。それでも動いていたり、警戒したりしている人はいるが、なあ。この件の動きを見るに、オレがかつて児ポ法の改正に創作物規制を盛り込ませまいと立ち上がった頃とは、何もかも違う気がした。あの頃は巧妙にフェイクニュースで、話をかき回す奴はいなかった*1しなあ。いや、オレらの気付かないところで、陰謀が張り巡らされていたのかも知れないが。陰謀とはそう言うものだ。

 ネットで自分たちの手口をつまびらかにするバカもいまいから、前述のダウンロード違法化への対策は、水面下でいろいろ動いている人がいると思いたい。ツイッターでごちゃごちゃ言っていても、日本全体の人口からすると、微々たる数にしかならんのだし。……実はオレはそんな夢を、「夢見る機械」の中で見せられているのかも知れない。……自分で書いて、怖くなって来たわ。くわばらくわばら、つるかめつるかめ。

*1:これはダウンロード違法化とは別の、一般論である。