走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

竹内久美子の罪

 竹内久美子が別冊正論で、睾丸の小さい男性が「日本型リベラル」になるとヨタ話を書いたそうだな。最初は笑っていた(ただし、その笑い声は「アハハ」でなくて「トホホ」だが)けど、やがて笑えなくなってしまった。竹内は『そんなバカな!』と言う著書において、小児ぜんそくを「親に子供を世話させようとする遺伝子の陰謀」であり、「まず死には至らない」と書いた事があった。実際は小児ぜんそくで人死にが毎年出ていると言うのに*1

 小児ぜんそくについての竹内の記述は、小林よしのりの親が小林のそれを、「依頼心の現れ」とみなしていたのと同じである。そして今回の睾丸うんぬんも、小児ぜんそく同様、保守マッチョに寄り添った言説ではないか。それに気付くと、笑えなくなった。なんで竹内みたいな奴のヨタ話が、持てはやされるんかな? ……保守マッチョに寄り添っているからか。どんなに科学的に間違っていても、世間でデカい面している保守マッチョに受ければ原稿料になるし、田舎の保守ジジイ・保守ババアを元気づける事も出来る。全くもって嘆かわしい! 前述のように、竹内に対しては、と学会(と言うより山本弘氏)や松沢呉一氏などがさんざん批判して来たってのに、まだ生き延びていたのも。マー、山本氏が『トンデモ本の世界』などで言っていたように、弾圧するわけにもいかないから、こんな事になってしまったのだが。

 と、書いたところで話の広げようがなくなってしまった。山本氏の言葉を借りて、「ウソを書いた本は売れるのに、そのウソをウソと暴いた本は売れない」非対称性について言及してもいいのだが、それは今のフェイクニュースだの「情報の終焉」だのにも繋がる話ではあるが、今のオレには荷が重すぎる……。『トンデモ本の世界』を読んだり、同時期のオウム事件に関する報道を見聞きしたりして、今言われている「情報の終焉」と言うのはとっくに(日本では)訪れていて、これからどう再建するのかと思ってはいたが、オウム事件当時はネットも普及してないから、自分の思った事を人に伝える術が限定されていたし。竹内の件で当時の感情が決して間違いでなかったのが判明したが、今やあとの祭り……トホホ。

*1:『そんなバカな!』についての記述は、洋泉社版『トンデモ本の世界』59ページを参考にした。