絵の世界……オレが末席を汚しているオタク向けマンガ絵の世界……だが、能力主義的には悪くない世界なんじゃないかと思っていた。前から言っていたように、何の誰兵衛であるかは、あまり問われない気がしていたからな。最近、どうもそうは言ってられないところはあるけど。
それはさておき、オレが「絵を通して社会と繋がりたい」と思ったのは、地元の地縁などのしがらみと無縁に活躍出来ると踏んだのもあったのかも知れない。呉にいる限りは、どうにもならなかったけどな。地縁などと関係なく腕一本脛一本で勝負したかったら、呉を捨てる方がよかったが、それが出来なかった。悔しいなあ……。呉では家族以外の人間関係がゼロで、だからと言って家族すら当てにならなかったのに、オレは何をやっていたんだ。家族以外の人間関係がゼロだったから、自分がどうしていいか分からなかった側面はあったとは言え……。それで余計に絵やマンガを描く事に執着したのだが、今まで鳴かず飛ばずだった。オレはどうすりゃよかったのか。「絵の世界は能力主義」と思っているから、ある種の「公正世界仮説」も引き合いに出して「こうもパッとしないのは、オレがダメだからだ」と間違った結論に至ったのかも知れない。その辺については、次の段落で。
オレは人間関係ゼロからいろいろスタートせねばならなかったから、コネだの後ろ楯だのなしで絵やマンガの世界に飛び込んだ。誰かのアシスタントをする経験もなかったし、ある意味ひとりでやるしかなかった。それが悪い方に行ったんでしょうなあ、自己肯定感低いままに描いていて、前述の「公正世界仮説」にまで気持ちを引っ張られ……。そこから立ち直ったの、ここ数年ですよ。あまりにも長かった……。あと何年創作出来るか分からんが、余生を創作に費やしたいね。
