走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

実際に描かなきゃならんのは、オレや!

 マンガ家の貝塚ひろしが、自分の弟子だった頃の吉沢やすみに「この世界はな、実際に描いた奴の勝ちなんだよ」と言って、吉沢におのれの作品を描くよう促した話は、あちこちで何度か引用した*1が、最近『ネット絵史』と言う本に収録されている第一線のイラストレーターたちのインタビューを読み、題名のように叫びたくなった。いえね、ツイッターで「萌え絵」を腐す連中の中にもいる絵やマンガを描く者に「ぐずぐず言わず、自分の作品描きなはれ~!」と『あっちこっち丁稚』での山田スミ子ばりの大声で訴えたかったけど、振り返ってオレはどうなのよと思って。自分の気に入らない作品に文句を言って、描いてないのは同じ事じゃないかと……。だから貝塚ひろしの言葉が、自分に返って来て。確かにサブカルビジネスセンター(以下、サブカルBC)で作品を描く機会は得ているが、あそこの自主規制を外れた内容で作品描くとどうなるんだとは思っているけど、いまだ描けてないし……。そこはいいとして『ネット絵史』のインタビュー記事ですよ。読んでいて「ぐずぐず言わず描いている人たちだから、地位も名声も勝ち取れたんだ……」と痛感。そりゃオレは2002年頃から、自分の作品を描く事を減らして表現規制反対派として活動してもいた*2けど、もうちょっと上手くやれんかったものかと、慚愧の念はある。その辺を愚痴る暇があったら描けよと言われたら、それまでだが……。ちなみに表現規制反対派として動いていた頃は「オレは絵描き・マンガ家としてはここまでだとしても、後進・後生のために道を作っておかねば」と思っていたから、ある意味それは達成出来た。今やちょっときな臭いけどね。インタビュー記事に話を戻そう。BUNBUN氏や寺田てら氏あたりのバケモノっぷりに驚いたが、それで止まってはいかん。老骨に鞭打って、オレも描かんと。

 「とは言え、年を取り他にやる事が出来て、描く時間をどうしたものやら」と思ったけど、その後「言い訳無用!」と言う自分へのツッコミを入れた。サブカルBCで地力を蓄え、あらためて描くんちゃうの? 今回愚痴がすぎるぞ、オレ。マー、描く事に躊躇しがちだったのは、怠慢と言うより持病の精神病が邪魔したのもあるけど。そこを忘れていたが、近年は持病から来るうつ状態の時に、ツイッターでの罵倒合戦を見たのも大きい。なまじ表現規制反対活動をしたものだから、ツイッターでの「萌え絵」攻撃をする連中も将来禍根になるんじゃないかと心配だったんだ。その時は、うつ状態と自分の言葉への不信から、意見を適宜言えんかったし……。トホホ。話が横道にそれてしまった気がするが、持病によりツイッターでの罵倒合戦が余計に怖く見えてしばらく絵を描くのも辛かったのは事実だ。途中で罵倒して来る連中に対する怒りを覚えてからは少し描けるようになったけど、今となっては嫌な連中を意識しすぎたなとも。

 それにしてもなー、貝塚ひろしとか山田スミ子とか、若人置いてけぼりなたとえが多くてすまぬ。

*1:その度に言葉は違っていたけど。

*2:ただし、2005年頃から失速する事になった。