走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

無自覚な暴力にさらされていた不幸

 最近はSNSはじめ、ネット上で罵倒合戦が繰り広げられた反動か、絵描きの間で「相手に『あなたの絵柄は嫌いです』と言うのはやめよう」みたいな相互不干渉を勧める声が出て来たが……。オレにとって、それは1980年代後半に聞きたかった言葉だ。いえね、ファミ通だのログイン*1だのなんだので「アニメ絵」叩きを見せつけられても反論や抵抗が出来んかった悔しさが、前述の相互不干渉宣言で逆に思い起こされて。今、非常にげんなりしているから、かつての「アニメ絵」叩きの詳述はせんけど、ひとつ言うならログインによる東郷隆*2インタビューで、東郷が「日本のゲームをよくするためには、アニメ小僧を追放しなけりゃダメですね」と言った事があったとか。はじめて読んだ時「なんでそこまで言われにゃならんの……」と、肩を落としたのを思い出したよ。東郷についての脚注で触れた『病と妖怪』が出た時! しかし、今になって考えればファミ通だのログインだのの「アニメ絵」叩きは、暴力でしかなかった! 書き手に暴力と言う自覚があったのかは分からんから、題名に「無自覚な暴力」と書いたわけです。好きな絵をけなされるだけじゃなく、日本に横溢する無自覚な暴力……例えばお互いの自尊心を削るような言葉の応酬……も、オレを苦しめていた。この恨み、どこにぶつけてくれよう。と言うか、「お互いの自尊心を削るような言葉の応酬」への恨みつらみが、どう言うわけか小林よしのり『メンぱっちん』の一コマに向いている。下記記事でも触れた、主人公の父親が「おかえり、ぱかたりくーん!」と主人公に言うコマに。

a-katu.hatenablog.com

 あの台詞こそ、相手の自尊心を削るような言葉ではないか。世の中誰も彼も、似たような事やってるぜ。「アニメ絵」叩きもまた、「お互いの自尊心を削るような言葉の応酬」の一種だ。言われた読者は、言い返せなかったから応酬にはなってないか。それが絵描きの間だけでも、鎮まりつつあるのはいい事なのかも知れんが……。ツイッターで斎藤潤一朗とか言うバカが、いちいち偉そうに「アニメ絵」に文句をつけていたのを思い出した。世間はどこまでオレを怒らせるのか。嗚呼。マー、それでも「相手に『あなたの絵柄は嫌いです』と言うのはやめよう」と言う不文律が出来つつあるのは喜ばしい。……いままで自尊心を削られたオレの心の傷は、まだ癒えてねえがな。だからこんな駄文を書いたんだけど。『メンぱっちん』の主人公の父親にぶつけるだけぶつけても、まだおつりが来そうな怨念があるし。フィクションの登場人物に八つ当たりするんじゃなく、東郷隆みたいなやつにぶつけてやりたいところだが、下手すりゃこっちが犯罪者ですよ。誰か知恵を分けてくれんかな。

*1:パソコンゲーム誌の方な。

*2:最近『病と妖怪』と言う本で一躍時の人になったが、前述の本にはいろいろ問題があるらしい……。