こないだ、オレはサブカルビジネスセンター(以下、SBC)でも「描く者」と「描かない者」の差を痛感した。オレ程度*1の絵でも「あなたみたいに上手く描けない」と言われましたからね。と言うか、絵を描く事は実は相当特殊なスキルだったんじゃなかろうかと。長年本やネットで「描く者」の世界に浸っていたから、そこに気づかなかった。「描かない者」にとって「描く者」の世界と言うものは、想像の埒外にあったのよね。ガキの頃、マンガ誌に載ってた「マンガの描き方」講座をなんとなく読んでいたりしたオレが珍しかったんだろうな。してみると、ネットで安直に絵をねだる奴が、描く側の苦労を想像出来ないのも無理はない。嫌だけど。しかし「描く者」と「描かない者」の間の断絶を「描く者」の端くれであるオレは、どう埋めて行けばいいのか。それをマンガに描けないで、何のための描くスキルかとも思うが。
絵を描く事が相当特殊なスキルだと思うのは、オレが正規の美術教育をほぼ受けてないからかも知れない。しかしその正規の美術教育だって、自分の意思で受けようとしないと受けられないんだよな。正規の美術教育うんぬん抜きで、日本では自発的にマンガを描く者が多いのは驚くべき事なんだろうな。と、書いていたら、エディオン広島本店で購入した『青木俊直のどこでもiPad Proゆるゆるおえかき術』と言う本の142ページに、青木氏との対談相手の寺田克也氏がこんな事を言ってるのを発見。
(前略)普通の人は「私、描けないから」と言ってそれで終わり。「描けない」という以前に、描こうとしない事実があるんですよね。(後略)
これは対談の聞き手の編集から出た「子どもの頃はみんなが絵を描いていたはずが、いつの段階で描かなくなるのか」と言う疑問への寺田氏なりの回答なんだが、オレもかつては似たように考えていた。今は「描かない者」が見たくなる絵やマンガを描きたいと思うようになっているけど……。と言うわけで、オレは今こんな文章書いている暇も惜しい。SBCの課題があるんだ……。
*1:と、便宜上言うが……。