走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

マンモスフラワーの予言

 此度のコロナウイルスを巡る日本国内の騒動を見てると、水木しげるの短編『マンモスフラワー』*1を思い出した。巨大な怪植物「マンモスフラワー」の出現で、まず環境が整備されていない地域にある主人公の家が破壊されたりするが、政府は動いてくれない。なぜか政府に取り入っているねずみ男は、主人公に「モグラだって、自分の穴は自分で掘るだろう?」とかなんとか言って、黙らせにかかる。しかしマンモスフラワーは、やがてビル街にも繁茂しだし、政府は対策をせねばならなくなり、主人公と突如登場した白土博士*2の言うとおりに、環境を整備するだけでなく政治をあらためる事となった。そしてマンモスフラワーを「貧乏人には救いの花となり、金持ちには呪いの花となった…とか」と言うナレーションの入ったコマのあと、相変わらず貧乏している主人公のぼやきとともに「それははかない「真夏の昼の夢」であった」と〆る。夢オチかよ! はじめて読んだ時、虚無感が襲って来ましたよ。それはさておき、この話が此度のコロナウイルス絡みのごたごたに近く見えてしょうがない。まずウイルス禍に遭って暮らしが立ち行かなくなってる者に「弱肉強食!」「自己責任!」を唱えて黙らせようとしている連中は、まさにねずみ男そのままではないか。この先、事態が終息しても、ギリギリで生きて来た人たちには今までの暮らしが戻って来ず、「それははかない「真夏の昼の夢」であった」と言う事にならねばいいが……。

 これが我田引水・牽強付会なのは分かっている。だが、言いたくもなりますよ。官民一致で毎週1億枚マスクを用意すると言った政府が、蓋を開けてみれば各世帯2枚ずつ布マスクを配るとか、やる事がどんどんみみっちくなってるし。他の点では政府が何もしてないと言うわけじゃないから、この辺はこれ以上言いたくないけど、問題は「弱肉強食!」「自己責任!」を唱えている連中だ! 『マンモスフラワー』では前述の連中のような事を言ってるねずみ男は、主人公に「だまれサタン(悪魔)」と言われてるし。もしオレに「弱肉強食!」「自己責任!」と言って来る奴がいたら、「だまれサタン(悪魔)」と返したろ。状況に期待が持てんので、こんな事を言ってしまった……。嗚呼。

*1:ウルトラQ』の同名エピソードとの関係は不明、今のところオレは時系列面の関係も分かってない。

*2:カムイ伝』で有名な白土三平がモデル。