pixivで、風刺ホラーマンガ『ジゴサタ~地獄の沙汰もお前しだい』をよく読んでる。人間の暗部についてしつこく描いているマンガだから、決して愉快とは言えない。第一オレは、地獄と言うものに懐疑的だ。と言うのも、地獄に堕ちる罪状が決まっているのなら、現世の進歩はあり得ないからな。例えば、『今鏡』などで語られてる、紫式部が地獄に堕ちたとされる罪が今も有効なら、フィクション作った奴みんな地獄行きやんけ。そんな世の中でいいんか? そもそもどこの宗教の地獄像が正しいんだよ、それをジャッジする者は? そんな事を考えていたら、地獄と言うものに懐疑的にならざるを得ない。そう思っていたら、山上たつひこの「地獄と言うものは、その時代の『差別』と密接に繋がっている」と言う言葉に出会い、地獄に対する疑問はますます強くなった。日本の仏教では、「変生男子」(へんしょうなんし)と言って、女性は男性に生まれ変われなければ成仏出来ず地獄行きとされている。この思想がまさに男女差別をあらわしているではないか! だから地獄と言うものを教訓に使うのには、納得出来ないんだよ。前に、地獄を描いた絵本でしつけと言うのが流行った事があったが、すっげえいやだった。
ところで、かつてオレの知り合いに「(女性が責められている)地獄絵図って、エロいよな」と言ったのがいた。意外と地獄絵図は、今で言うSMものとしての意図が込められて描かれたのかも知れない。『ジゴサタ』だろうと、エロい地獄絵図だろうと、それらに対するアンチテーゼを描けないオレはどうすればいいんだ。
これは本来、予約投稿している『愉快マンガ宣言』と言う一文の続編として書いていたものである。だから「愉快」がどうとかいろいろ言っていたり。