今朝の天声人語、『まんぷく』を「1950年代に即席ラーメンが発明された実話を扱っている」と。安藤百福をガレージ起業家ジョブズになぞらえてキッチン起業家と。「起業家」なのは本当だろうけど。直接「発明者」とは言ってないのは、近代食文化研究会さんの研究業績の成果か。
— ClaraKeene (@clarakeene) 2019年2月12日
えー、このツイートと題名で何が言いたいか分かった方は偉いです。そう、チキンラーメンは即席麺の元祖ではないと言う話をしたいのです。
オレが小学校に上がるかの頃、少年マガジンだかの巻頭特集で即席麺について書いていたページの年表のド頭には、即席麺の元祖として「ヤマト ケーシーメン」の文字と写真が。時代は下って『キテレツ大百科』がテレビアニメになった頃、コロコロコミックにキテレツ大百科を使ったチキンラーメンのPRマンガが載っていて、そこで安藤百福が「世界初の即席麺」チキンラーメンの発明者として紹介されていた! 読んだオレは「えええ~!? ケーシーメンの立場は?」と、驚いた。こう言うのが、歴史改ざんの現場と言うのだろう。
上記ツイートの、「近代食文化研究会」と言うのは同名のツイッターアカウントで、ケーシーメンとチキンラーメンの関係について長く言及しており、この記事を書いている現在もそれは続いている。それを要約出来るほど把握していないが、東京で売ってたケーシーメンを大阪で売る時チキンラーメンと改名したと言う話が、日清食品ラインを調べて出ているとは言っておく。ただ、ケーシーメンを売ってた大和通商ラインからだと、安藤百福は大和通商側の特許を盗んだと言われてる。うーん、なんとも言えない話だ。「ウソとホントがまぜこぜで、とにかくこの世はへんてこりん」と、松方弘樹は歌っていたが……。近代食文化研究会によるツイートだと、ケーシーメンもまた台湾に源流があるとか、安藤百福のえげつない側面とか、いろいろ書いていた事を付け加えておく。あまりにいろいろありすぎて、要約も出来なければ、どれだけのツイートを引用すればいいかも分からないので、こんな説明になるけど。
しかし、庶民史と言うものは、かくもうつろいやすいシロモノなのね……。嗚呼。