走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

もしかしたらオレは誤解していたかも知れない

 藤子・F・不二雄は結構冷酷な短編SFを描いていたため、実は相当冷酷な人なんじゃないか? 渡部昇一ドラえもんを褒めていたのも、両者の人間に対する非情さが、スタンド使いが引かれあうみたいに呼応したからじゃないか? と思っていたが、実は違うのではと。藤子Fは弱い人間をこれでもかと言うほど描いているけど、それは藤子F自身をはじめとする人間に普遍的な弱さであって、そこを否定はしていないように思えて。もしかしたらオレは、自分の弱さへの憎悪から、とんだ誤解をしていたかも知れない……。

 となると、「人間肯定」とはどのように描けばいいのか? と言う問題にぶち当たる。単に人間のいいところだけを描けば、そうなるわけでもないみたいだし。オレが人間肯定だのなんだのを、マンガにしろなんにしろ描けたためしはないけど。だから辛かったし、この先何を描くにしろ時間がないように思えてなあ……。

 話を藤子Fに戻すけど、かつて兄に読まされ、登場人物がかわいそうだと感想を述べたら「かわいそうじゃない!」と兄に一蹴され……。オレの周りに誰も読んでる奴もいなかった*1し、中学卒業後孤立が深まって宗教に引っかかり、ますますオレの内面がこんがらがり……。少しずつその辺の糸をほぐしてみたら、オレは誤解していたんじゃないかと思えるようになった。……と、書いていて、自分が長らく孤独だったのをまた思い出し、げんなりして来た。オレの人生返せ。

*1:読んでる奴を見つけ出せなかったと言った方がいいが、それ以前に孤独だった。