走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

ブラッドベリの怒りは分かるが

・アッシャー邸は滅びない

 この記事で、『華氏451度』に至るまでのレイ・ブラッドベリの精神的トンネルの一端は分かった。彼の怒りは分かるが、『華氏451度』を読んで、「こんな未来にしないようにしよう!」と、決然立った者はいましたか? 誰も。つまりフィクションには限界があるってこった。そしてそんなフィクションを血眼になって取り締まろうと言う当局は、もっと愚かなんだが……。

 それともうひとつ。山本弘氏のこの記述には疑問がある。

つまりマンガの表現規制がきびしくなると犯罪が増え、表現が過激化すると犯罪が減るんです。

 そんなに単純化出来るほど、人間も日米も一面的なもんじゃなかろう。オレも表現規制反対活動に首を突っ込んだが、その過程で、山本氏のように言い切れる問題じゃないと痛感したし……。「表現を規制すれば、結構ずくめの世の中になる」と言うのは、机上の空論だとも思うがな。それを伝えるには別の言い方がありそうな気がする。今、思いつかないけど。