走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

ただほど高いものはない

 コミックビームの奥村勝彦さんへのインタビュー記事。これを読んでいたら、出版業界の厳しさがいっそう強く伝わって来た。インタビューの最初に奥村さんが言うように、今や娯楽がスマホに食われた感はある。オレもお世話になっているし。友人が昔、「景気を良くする方法がある、みんな携帯をやめてその金を消費に回す」と言っていたが、あながち間違ってなかったのかも。あと、ネットで無料公開されたマンガが増えて、それを気軽にスマホで読めるようになったのは大きい。オレの下手くそなマンガだって、pixivで無料公開したらそれなりに読んでもらえたしな。しかしまさか、それがこんな事態になろうとは。色々代償は大きかった、ただほど高いものはない。

 ここから少し余談。奥村さんがインタビューで言っていた締め切りがあるからまとまった物が描けるって話。あさりよしとおさんも、「締め切りが、あると描けない。ないと描かない」って言っていたし、それはあるなと。あと、前にも書いたかも知れないけど、ネットで創作物を晒すってのはヤハリ精神的にタフでないとダメよ。今は奥村さんが言うところの小賢しいクレーマーや、人の足を引っ張る事にしか喜びを見いだせない輩が多いから。それらの容喙をくぐり抜けて作品を作り発表するってのは、すっげえ精神力がいる。その他も鑑みると、若い創作者はオレたちの時代よりタフなのかも。