走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

作品以外で己をPRせねばならんとは、なんぎな時代だ

a-katu.hatenablog.com

 上記記事で、今は絵やマンガを描く者が「何の誰兵衛」か筒抜けであると書いた。ところが、事態はもっと深刻な事になっていた。コミティアと思しき出張編集部*1において、ある参加者のツイッターだかでのトラブルを理由に「あなたの作品はうちでは……」と断られると言う事が。この件については、みんないろんな考えがあろうが、オレはひとつの時代の流れではないかと。最初に述べたように、「何の誰兵衛」か筒抜けになってる時代だし。その是非は別として。だったらなんで深刻と言ったのかだけど、この流れは風評でデビュー前に人を陥れる事も出来ると言う事でもあるからだ。

 こう言う流れは、SNSが盛んになってから顕著になったものだと思う。と言うか、作品を売り込むために、SNSでいろいろアピールせねばならん状況とコインの裏表ではなかろうかと……。その意味、あまりに作家は晒し者にされすぎな気がして。確かにエッセイマンガと言う「自分の切り売り」もあるが、描いてるものがそうでなければ切り売りしなくてもいいものまで切り売りさせられているようで、見ていて辛い。上手く言えないけど、この流れの次は「何を言わないか」を担保出来ん世の中が来そうなのよ。こんな事を言うのは、オレが作品以外で己をPRするのが苦手なのと、同時に作家も「人畜無害」である事を要求されている流れが怖いのとで。明らかにケンカ腰な態度をSNSで表明しても仕方ないが、反対に「人畜無害」である事を求める者がどうにも不気味に見えるのも怖い。これからどうなるんかなあ……。くわばらくわばら、つるかめつるかめ。むかしからマンガ家の舌禍・不祥事はあるけど、それだと思われる基準がどんどん厳しくなっているような。正直、創作者にとって、非常にやりづらい時代だと思う。いや待て、SNS以前のネットの勃興期だって、創作者は2ちゃんねるなどで陰口叩かれていたな。オレもそうだったのを忘れていた。もしかしたら2ちゃんねる的なスナック感覚の罵倒が、いろんなところを蝕んでいたのかも知れない。……ダメじゃん!

*1:マンガ誌の編集部が出張し、参加者の持ち込んだ作品を評価・添削する場。