走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

エヴァンゲリオン私見

 かつて荒木飛呂彦は『新世紀エヴァンゲリオン』にダメ出ししていたが、今にして思えば主人公の碇シンジからしてヒーローではなく「絶望的な状況における、なす術なき人びとの代表」だったから、そうなったのかも知れん。ウジウジしているとあちこちで嫌われてたシンジだが「絶望的な状況における、なす術なき人びとの代表」と見れば、彼を責めるのは酷と言うもの。オレも今年で48だから、それなりに齢(よわい)を重ね、こんな事を思うのかも知れないが。あと、荒木飛呂彦を引き合いに出したのでもうちょっと言うけど「絶望的な状況における、なす術なき人びとの代表」が一念発起して活躍し、逆転する話として庵野秀明は描かなかったから、そこが荒木に合わなかったのかもと、うがった事を言ってみる。これら全てが映画秘宝的な「別な方向に歩かせた論評」でしかない可能性だってあるんだけど……。

 脱線するが、オレが物語を論評する時に「別な方向に歩かせる」のを嫌うのは、どいつもこいつもそれをやりすぎて、いろんな意味で「話が見えなく」なったのではと言う危惧があって。オレがこのブログで今まで言った事にしてからが、そうでない保証はない。それだけ自分の言葉に不安があるんだけど。また「あるんだけど」かよ。一方で、そんなに私見を語るのが怖いかと、自分を叱りつけたくなる。……怖いんだが。と言うのも、長年孤立していたので、オレは何言ってもかえりみられないのではと言う被害妄想があって。そう思うのは意見を述べると鉄拳制裁を受けた時期があったからだが……ちくしょう。