かつて唐沢俊一が岡田斗司夫・眠田直両氏と組んだ「オタクアミーゴス」名義で出した本で、『国防挺身隊』と言う自主制作の「右翼もの」(としか言いようがない)ドラマを紹介した時、「左翼の『自然を大切に』とか『平和に生きよう』と言う内容の話より、こう言う『お前みたいな悪い奴は、死んでしまえ!』な話の方が面白い」みたいな事をぬかしていた。酷い話だ……。左翼の平和を訴える作品と言えば、中沢啓治の『はだしのゲン』が思い浮かぶが、あれは決して「お花畑」な内容ではなく*1、「人間、いかに戦争や差別が好きか」をしつこく描き、その行き着く先として、ヒロシマの惨状があると訴えるものであったのに。そういや唐沢俊一は、はだしのゲンをdisる『反日マンガの世界』にも寄稿していた*2な。なんて奴だ。「お前みたいな悪い奴は、死んでしまえ!」と言うのが面白いってんなら、唐沢俊一をモデルにした極悪人*3を酷い目に遭わせるマンガがあったらどうじゃ。唐沢はさんざん他人をおちょくって来たから、文句も言えまい……と、思ったが、今となってはそんなもん描いても、どうにもならん気がする。もはや終わった物書きである唐沢に、筆誅を加える意味があるのかと言うのがねえ。それに、むしろ「平和に生きよう」と言う話の方が、唐沢へのいやがらせになりそうだし。
ここでちょっと、段落を分けて話をする。前述のように、唐沢俊一をモデルにした極悪人を酷い目に遭わせる話を描いたとしても、どうにもならん。と言うか、オレには描けん。気に入らない奴を悪くマンガで描くと言う行為は、とてもとても苦痛なんで。そりゃ『電人ザボーガー』のサタンボーグとマジシャンガーと悪魔ハットを併せたら、絵的に唐沢に近い怪人になるかも知れんし、そいつにいろいろともって回った見立てを入れる事も出来る。しかしオレがしんどい! 唐沢みたいにマンガ原作者になれば……って、そんなとんちはいいんだ! オレにもっとマンガを描くための筆力があれば話は違って来るかも知れないが、今はそんなもんない! これからだって、どうなるか分かったもんじゃないが。それに仮に筆力があったとしても、前述の苦痛からは逃れられまい。それでもツイッターでえらそうにしている唐沢を見ると、やりきれないものはある。オレがヨゴレになって、唐沢をおちょくるべきかと思うのも人情では? あるいは「平和に生きよう」と言う話を……って、誰かへのいやがらせのために平和を訴えるのは、先人に失礼だしなあ。と言うか、描けないからっていちいち手の内をバラすから、あとで困る事になるんじゃないか。しっかりせんかい、オレ。