走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

「オリジナリティ」の呪い

 かつてパソコンゲーム誌『ログイン』が、いわゆる「アニメ絵」をdisったあと、「アニメ風の絵はプロに任せて、みんなは自分だけしか描けない絵を目指したらいいんじゃないかな」と言った事があった。一見もっともらしいが、実はもっともな事ではない。以前この記事サルバドール・ダリが「何も真似したくないと思う者は、何も生み出さない」と言っていた事を書いたが、まさしくそうなのだ。絵を描かないか、絵をバカにしている者ほど、「オリジナリティ」を描く者に要求する悪い癖がある。それに若い時に気付いていれば、ログインやその弟分雑誌のファミ通のいわゆる「アニメ絵」disなんかに負けはしなかったものを……。エエエ悔し悲しい情けない。

 いえね、ツイッターとか見ていると、こう言った「オリジナリティ」の呪いに苦しめられた人や、その呪いに打ち勝った人とかを散見するので。「オリジナリティ」だけじゃなくて、「リアリズム」の呪いもある。「リアルな絵が描けない奴は下手くそだ」と言うね。しかし時にはそう言う者が、リアルな絵が描けなかったと言うオチもついていたりする。なんだかなあ……。もうちょっとこの辺の呪いに縛られず、好きに絵を描いていればよかった……。これ以上書くと話が不愉快な方向に行ってしまいかねないので、この辺にしとくけど、むかし絵について語り合える相手がもっと身近にいたなら、こんな愚痴を垂れなくても済んだはずだと言ってこの記事を締めくくる。