走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

石堂淑朗の話、続く

 この記事の続き……と言うか、前述の記事では噂の眞相別冊『日本の文化人』における石堂淑朗の主張を書き写しただけでくたびれたので、書けなかった話など。

 石堂の「気違いは抹殺されなければならない」と言う主張だが、この件に関しむかし彼について「精神障害者への偏見がある」と言った人がいた。しかし『シルバー仮面』で一本だけ手掛けた脚本には、「XOW光線」と言う「もともとは精神病の治療目的に開発された」ガジェットが出たり、『ウルトラマンA』には「ルナチクス」と言う、月と「ルナティック」をかけたとしか思えない名前の超獣を出していたりもするのだ。この事から考えるに、石堂は単に俗流的に精神障害者に対する偏見があったのではなく、「狂気」と言うものに対しヘンな幻想があったのではなかろうかと……。脚本家が何かに幻想を持っていて、それを脚本に書くのはありそうな話だが、社会に対する意見にそれを入れちゃあ……ねえ。

 もうひとつ、「長すぎる『平和』の産物を滅す『戦争』を起す以外にこの国を救う途はないと思え」と言うところについて。石堂は『ウルトラマン80』でバルタン星人に、「ミサイル発射! 戦争賛成!」と言わせた事が。この頃から石堂は何かおかしくなっていたのか。あるいはこの記事に書いたように、社会に物申すようになるうちに、かつて自分が描いたキャラの醜い面を反映するようにでもなったのか……。

 さらに、「獣と化した動物が家畜、つまり法治国の住人に回帰する可能性は皆無である」と言うところについて。人間を家畜扱いですと。じゃああんたはなんなんだよ、雁屋哲西部邁を評した時に言った「権力の牧羊犬」のつもりか? こんな奴が重用されていたんだから、保守論壇ってチョロいよな……。石堂はもう死んだけど。一部の特撮ファン・特撮ライターが、石堂の保守論客としての側面を評価しているのも頭が痛い。オタクの保守化と言うのは、小林よしのりによるものだけではなかったのかも知れない。