走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

なぜ決めかねているか

 この記事で死刑の賛否について、「決めかねている」と書いたのは何故か簡単に説明する。死刑と言う制度が矛盾をはらんでいるものだとは頭で理解していても、「こんな奴ぶち殺した方が、世のため人のため当人のため」と思う時もあるからだ。そんな気持ちで死刑に反対すると言っても、説得力はないし死刑反対派の邪魔になるだけだろう? とは言え、死刑にまつわる矛盾を放置していい理由にもならないがな。だから決めかねているんだよ。

 パオロ・マッツァリーノさんが『みんなの道徳解体新書』で、「他者に死刑を執行してもらって安心するのは、自ら手を下して命を奪うより悪趣味」みたく言っていた。オレも大体同意である。そういやむかし勤め先で、「ネオむぎ茶」による西鉄バスジャックを受けて少年犯罪を厳罰にしろとか言う奴に対し、「そんな事言うんだったら、自分で殺したらどうですか?」と言った事があるなあ、オレ。言われた方の返事は、「そうしたいのはやまやまじゃが……。ワシにも生活があるから……」と言うものだった。こう言うと語弊がありまくりなのは承知だが、自分の生活に直接関係ない事件の犯人を厳罰に処せと軽々しく言うくらいなら、その犯人を留置場なり刑務所なりから引きずり出して自分で殺せと。それが出来なきゃ、黙っていろと。