オレは古臭い男で、いわゆる「萌え絵」の好みも１５年くらいズレている。一方で最新の絵柄のテクニックも取り入れたいんだから、さあ大変だ。それでも、一歩ずつ絵の腕は上がっている気はする。しかしオレの絵が見栄えするものになるのが先か、オレの寿命が尽きるのが先か……。縁起でもない事言ったが、このところ絵やマンガのスキルは上がっているけど、５０代ともなれば寿命が気になるわいな。一方で１０年後も、なんのかんのと絵やマンガ描いている気もしてるけど。
なんで「萌え絵」の好みが１５年くらいズレていると言うのかだが、PCゲームメーカー「オーガスト」が２００７年に出した「脳みそホエホエ」氏の画集を見て「こんな感じの絵が、性に合っているわい」と、しみじみ思ったからじゃ。……と、書いてて「オレの好きな絵柄は、東西南北前後右左すべてから集中攻撃される！」と言う被害妄想じみた恐怖が出て来た。毎度毎度「そんなわけないでしょう？」と思ってはいるが、この恐怖、抜きがたいんだよ……。それもこれも、DQN極まるかつてのオレの周囲や、かつての（パソコンゲーム誌の方の）ログインやファミ通など「アニメ絵」「萌え絵」を攻撃していた連中がいけない。やつらのせいでオレは、こんな恐怖に怯えて生きている。くっそー……。この辺の恨みつらみを繰り返し言っても、オレの人生が好転したためしがないが、怖いし悔しいんだ……。ここまで書いて「その話はやめにして、絵の話しなはれ」と、オレの中のツッコミ役が言うからそろそろ切り上げる。
オレは最近、絵やマンガのスキルが向上し、少しは人に見てもらえるようになった。欲を言えば、２０年前に今のスキルがあれば！ いや、デジタルで絵を描く環境は今の方が安価で手軽に手に入るなど、２０年間で変わった事がオレのスキルの底上げを促したんだから、前後ホコトンな欲だな。「前後ホコトン」とは、宮武外骨が言うところの「話の前後が食い違ってる」事を示すものだ。話を戻して、５０代でこれだけ描けるようになったとは思わんかった。「創作者としてはフェードアウトしかない」と、落胆しきっていた時期もあったのに。こうなりゃ、意地になってでも描いてやる。見てろ……。
