こないだ、こんな連ツイをした。
『描きたい!! を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方』に、現役のジャンプ作家へのアンケートがあるんだけど、空知英秋氏の「漫画家は最初が一番キツイです」と言う言葉が染みる。オレも投稿していた時、それは感じていた。結局オレは商業ベースで描けなんだし。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2021年7月1日
商業ベースで描く事をあきらめて20年経ち、描く事に対する考えは変わったけど描いてはいる。しかし最近、いろいろな意味で思うように描けなくなって愕然としてる。オレは思ってあたよりマンガを描くスキルがなかったのかと。理由は聞くな、まだ言語化出来ん。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2021年7月1日
前ツイ、誤字があったが気にするな。さておき、思うように描けないと言うのは、自分の至らなさが鼻につくと言うか。至らなさうんぬんより、今描けるものを描くしかないのは承知だが、コマの大きさで描く絵のバランスさえ崩れていては。あと、明確な締め切りがないため、ずるずると描いているのも。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2021年7月1日
明確な締め切りを自分で設定しても、人はそれを簡単に破れるものだ。「締め切りが、あると描けない。ないと描かない」と言うが、この場合の締め切りは外部の設定したものであって。商業ベースで描く前は、そこが曖昧な事も多くて。それで空知英秋氏の「漫画家は最初が一番キツイです」に共感したのよ。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2021年7月1日
商業ベースでないとスケジューリングは自分でやらねばならず、他にもいろいろハードルが。オレはそこを乗り越えれなかった……。でも、まだやってるんだよ~。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2021年7月1日
これを書いているうちに、絵やマンガを描くのがきつい気持ちが、だいぶ和(やわ)らいで来た。最近、描いてて自分の至らなさが見えて辛かったが、上述の通り「今描けるものを描くしかない」と居直るしかねえと思ったらね。さて、立ち直れそうな兆しは出て来た。あとは描く事だな。サブカルビジネスセンター(以下、サブカルBC)でもマンガを少し描いてるが、問題はあそこで描いてる時のコマ割り*1を離れてストーリーマンガが描けるかと言う事だ。だから上記ツイートに「コマの大きさで描く絵のバランス」が変わる時の苦衷を書いたんだけど、そうも言ってられない。オレの絵柄でシリアスぶっても仕方ないとギャグっぽい展開を描いて来たが、ギャグマンガこそ本当の地獄であった。サルまんでも「ギャグマンガは類型化出来るシロモノじゃない」みたく劇中の竹熊健太郎が言ったくらいだし、ギャグが描けなくなったギャグマンガ家は、たいてい狂う。いい例が小林よしのりだ。あと、サルまんの描き手のひとり相原コージも、今やうつ病で筆が執れないって言うじゃないか。なんでオレは、わざわざ茨の道を……。茨の道と言えば、絵やマンガを描く事自体がそうなんだけどね。それでも描きたいから描いていたのに、至らなさがどうの、絵のバランスがこうのと……。お手前、言い訳ばかりでござるか。
ただ、外的に設定されない*2締め切りがあまりに弱いのは事実だ。人間、そんなに意志の強い生き物じゃない。それで空知英秋言うところの「漫画家は最初が一番キツイです」問題ですよ。その前に空知は「一人で原稿を仕上げる大変さ」「その圧倒的な作業量と時間」*3について言及しているが、これは実際に描いてみないと分からない。おまけに描いた原稿がボツになれば、地面を掘り返させたあと埋め戻させて、また掘り返させる拷問を受けたような徒労感を味わう事になるんだからな。オレは一人で原稿を仕上げる大変さに耐えきれず、圧倒的な作業量と時間を捻出する事も出来なくなり、商業ベースでマンガ描こうと言う気になれなくなった。「描く事」自体はあきらめきれず、ちょこちょこ描いていたらサブカルBCに巡りあえたけどな。ただ問題は、あそこでやる事が変化しただけでなく、今は「締め切り」に追われる仕事があるため、趣味で絵を描く暇がないと言うか。そのためこのブログも、更新を土日だけにしたし……しまった、「漫画家は最初が一番キツイです」問題はどこに行ったんだ。マー、ある程度言及はしたと思うが自信はないので、あらためて。前述のように「一人で原稿を仕上げる大変さ」「その圧倒的な作業量と時間」の重圧は「描かない人」の理解を超えているし、オレも耐えられなかった。それだけじゃなく、オレに限らず家族の無理解と戦わなきゃならん新人もいるんだろ? 言語化すると非常にシビアな世界だな。何が悲しゅうて、どいつもこいつもオレまでも、その世界を目指すのか。なんのかんの言って、目指す者は「描きたい」からでしょうねえ。これは極論だが、親にまきざっぽでどつかれながら「マンガ家になれーっ!」と言われて描いて、成功したマンガ家なんてオレは知らないし。
あまりクダクダしく書いても仕方ないので、そろそろ話をまとめよう。とりあえず平日ブログ休んでるんだから、その間に絵の方をやり直すしかと言う事と、商業ベースで描く事を挫折してもマンガは描ける事を肝に銘じよう。ところで今回、引用ツイート以外では敬称略。