走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

オレのマンガ道補遺編その7

 超ひさびさに、「オレのマンガ道」シリーズですよ、おりんさん。だから、おりんさんって誰よ。とか言いつつ、今回は、あるマンガの内容を中心に。

 長井勝一が書いた『「ガロ」編集長』と言う本に、水木しげるが本名の「武良茂(むら・しげる)」名義で描いた『これはたまらん』と言うマンガが収録されている。ある森の中で一匹の虫が「青春」や「喜び」が捨てられているのを拾い、持ち主と思われる虫の元に行く。そして「お前は誰だ」とたずねると、その虫は「苦しみ」を抱えつつ「マンガ家だ」と答える。そしてこんな会話とともに、マンガは終わる。

「お前はそれだけを大切にしているのか」
「これだけしか残らなかったんだよ」

 これを最初に読んだ31年前、「マンガ家って、こえーっ!」と恐怖に打ち震えた。思えばこれもまた、絵やマンガを描く決意を鈍らせた一因だったのかも。当時は、水木しげるに心酔もしていたもので。実際は水木も、雑誌の仕事をこなすようになってから、売れっ子になりアシスタントに丸投げしたりもするようになっていたのだが。当人は戦後を、相当複雑な心境で生きていたみたいだけど、なあ。何が「なあ」だよ……。

 繰り言になるが、オレが31年前に『これはたまらん』を読んでもひるまず、「それがどうした! オレは、マンガ家になるんだ!」と思えるくらいの根性があればねえ……。と言うか、今までオレはぼんやりと生きすぎていた。広島市内でイラスト講習を受けるようになって、ますますそれを痛感する。

 そのイラストの講習も、『いだてん』でストックホルムに乗り込んだあとマラソンの練習をする金栗四三ばりに孤独*1であるし。講師はいても、課題を描くのはオレ自身なんで。他の生徒(?)のやってる事からすると、みんなオレより先に進んでいるように見えて辛いので、孤独は増す。『これはたまらん』のマンガ家虫のように、苦しみを抱えて描かなければならないのかも。

 イラストの講習については、また日をあらためて話をする。しかしなー、講習で覚えたはずの事、忘れつつあるよ……。「覚えて忘れて、また覚えて、少しずつ上手くなるものだ」みたく、講師は言っていたけど。

*1:『いだてん』では、三島弥彦の練習に付き合いもするが。