走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

『アジト3』を語ってみた

 『コンドールマン』がようつべで配信されているので、そのコンドールマンが出て来るゲーム『アジト3』を、RCCラジオの番組『ラジプリズム』の1コーナー「語ってみた」のように語ってみようかと思う。

 まず、『アジト3』(以下、『3』)は、初代プレイステーションのゲーム『AZITO』シリーズの3作目かつ最終作であり、発売は西暦2000年。このシリーズは、孤島などの地下に秘密基地を作り、これを運営して兵器としてのヒーローや怪人などを作り、敵対勢力を倒して行く内容のゲームだ。シリーズ第二作『AZITO2』(以下、『2』)から、仮面ライダー宇宙刑事スーパー戦隊*1のヒーローや怪人などが登場して好評を博し、『3』において多数の70年代特撮ヒーローが登場するようになり、その中にコンドールマンもいる。ここからも分かるように『3』は、70年代特撮を強くフィーチャーした内容になっている。*2

 それまでのシリーズのグラフィックは写実調とアニメ調の混合だったのだが、『3』では写実調と画像取り込みによるものに統一された。また、ゲーム中のヒーローや怪人のパワーアップのイベントが、当時の作品を知らなければいささか意味が通じない展開だったりもしている。例えば前述のコンドールマンも、映像作品同様にゴールデンコンドル・ドラゴンコンドルへとパワーアップ出来るのだが、その時同じく川内康範原作のレインボーマンと、その師匠ダイバダッタの手を借りるのだ。*3この手の作品つながりは他にもいろいろあり、その一例として、悪の陣営でプレイ*4していると、『イナズマンF』のウデスパーを、『人造人間キカイダー』のプロフェッサー・ギルがウデスパー兄弟や合体ウデスパーに改造するよう要請する事があるが、これはプロフェッサー・ギルと『イナズマンF』のガイゼル総統がどちらも安藤三男が扮した事を踏まえてのネタである。こう言うネタに、若い世代のプレイヤーは戸惑っていたようだ。オレだって追いつくのに必死だったし。パワーアップと言うわけではないが、『スペクトルマン』の敵の宇宙猿人ゴリが、ヘドロの怪獣ネオヘドロンを操り海を汚染している時に、「今に魚も食えなくなるわ!」と言い出すのだが、これはコンドールマンのエンディング『ザ・モンスター』の2番の歌詞がヘドロの怪人ヘドロンガーについてであり、その中に「今に魚も食えなくなるさ」とあるのに引っかけたネタである。ねっ、ついて行くのしんどいでしょう? これだけのネタをやるためには前述のように多数の版権ヒーローを集める必要があるが、それも相当苦労したと、当時のゲーム誌で開発スタッフが語っていた。確かにこんなゲームは空前絶後でしょうねえ、おりんさん。*5その証拠に、『AZITO』の第一作は再販や3DSでのリメイクは行われているのだが、『2』以降は……。

 と、ここからは『3』で減った要素などについて。『2』まではセーラームーンのようなアニメ調のオリジナルの変身ヒロインが出ていたが、『3』では排除された。オリジナルのヒーローや巨大ロボットも、どこかで見たようだけど微妙に違う設定のものが多かったけど、『3』では版権ヒーローたちが増えて、多くがその出番を失った。*6個人的には『2』の巨大ヒーローで、ウルトラマンと『逃亡者』のリチャード・キンブルを併せたような設定の「イノセンスマン」が好き。これらを犠牲にして、多数の特撮ヒーローを出した『3』の無謀さを評価したい。……バグとか誤字とか誤表記とか一杯あるけどな。『鳥人戦隊ジェットマン』のレッドホークを「レッドイーグル」としたり、『風雲ライオン丸』のブラックジャガーを、「ブラックタイガー」としたり(エビかよ)……。あと、ロボットや戦闘機の格納庫に繋がる出入り口を4個以上建設すると、巨大ヒーローが巨大化した時消滅するのだ。こうなると次の面になるまで出て来れない。

 巨大ヒーローと言えば、『3』には前述の通りスペクトルマンが出て来る。スペクトルマンと言えば、永井豪が『あばしり一家』でパロディにした時、「お前はピープロの怪獣と戦っていなさい!」と母星のネヴィラ71に言われるのだが、『3』ではピープロ以外の敵と戦わせる事が出来る。また、悪の陣営の兵器として、『激走戦隊カーレンジャー』において本来マジンガーZのパロディの「バリンガーZ」になる予定が差し替えられた「ノリシロン・最終(ファイナル)」が出て来て、正義陣営の最終面においても立ちはだかる。これを知り、スペクトルマンをノリシロン・最終にけしかけ、江戸の敵を長崎で討たせたのはオレだ。

追記:『3』では最大8人のヒーローや怪人でひとつの部隊を構成し運用するのだが、これではまかり間違って続編が出た時、『宇宙戦隊キュウレンジャー』が入れられないではないか! マー、杞憂と言う奴だがな。

*1:スーパー戦隊は一部。

*2:60年代と80〜90年代の特撮ヒーローも出ているのだが。

*3:コンドールマン東映レインボーマン東宝の作品。

*4:『2』から、正義と悪どちらかの陣営を選択してプレイするようになった。

*5:おりんさんって誰よと言う疑問には答えない。

*6:『3』でも出てなくもない。