2016年刊の『文藝別冊 総特集 山上たつひこ』を買ってちょこちょこ読んでるが、山上たつひこみたいなマンガ家は、もう出て来られない世の中だなと痛感……。本人の弁からもそう感じたけど、ギャグをギャグたらしめる理性とか常識と言う地盤が、大きく沈下したもの。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2022年3月25日
「ギャグをギャグたらしめる理性とか常識と言う地盤が、大きく沈下した」と感じたのは、ひょーせん(@hyousen)さんたち発狂俱楽部の「命輝寺」がらみの騒動で、ギャグが非常にやりづらい世の中になったと思ったのもある。冗談の素養のない者にまで、ネットが普及した不幸か……。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2022年3月25日
そうなるとオレは、何を描けばいいんだ。シリアス向けの絵柄じゃない事は痛感したし、ナンセンスをやる事も冗談を言う事も出来んとなれば……。それはおいおい考えよう。
— 克森淳(a.k.a.新豊玉三郎) (@a_katu) 2022年3月25日
この記事では、上記3ツイートについて少し。『文藝別冊 総特集 山上たつひこ』(以下、文藝別冊)には『がきデカ』に出て来た一発ギャグ図鑑が載っているが、当然*1「あふりか象が好きっ!!」もある。実は最近、このギャグについて考えていた時、しんみりしちまったのよ。いえね、のちに『ジャッカー電撃隊』と言う特撮もの*2で、ジャッカー電撃隊が使う必殺技のひとつに「ビッグボンバー・アフリカ象」と言うのが出て、これを喰らった怪人は「アフリカ象嫌い~っ!」と叫びながら絶命するのだ。そして今や、がきデカはコンプライアンスの関係でそのままの形での復活は難しいと思うが、ジャッカー電撃隊はこないだまで東映がYouTubeで公式配信したり「東映特撮ファンクラブ」と言うサブスクリプションでいつでも見られたりするのよ! パロディの方が有名と言うか残った格好に……。だから題名がああなったわけです。
上記二つ目のツイートにある「命輝寺(みょうきじ)」がらみの騒動については、下記記事で触れたので、まずそれを参照していただきたい。
ひょーせんさんの「命輝寺」ネタが2025年大阪万博のキャラの元ネタ扱いされた*3事は、ギャグや冗談を支える理性や常識が大きく地盤沈下した好例だと思うが、同時に共通前提のない相手に冗談や表現を見せる時の怖さも感じている。共通前提のひとつに、理性や常識も含まれてるところはあるけど……。命輝寺騒動や、文藝別冊における山上たつひこの談話などから、上記ツイートの三番目になったんだよ! ギャグが簡単だなんて口が裂けても言えんし、がきデカのこまわり君みたいなキャラを描きたいわけでもないが、現代は現代なりのナンセンスが描けるのではと言う思いがあったけど、それに暗雲が立ち込めているので困ってるんだ……。本当はもうちょっと話を進めたいところだが、そう言う気にもなれんくらい落ち込んで来たので、この記事ここまで。