走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

歩けない子と、力の無いヒーロー

 特撮系キャラショーのヒーローや怪獣が障がい児施設の慰問に行った時、今まで歩けなかった子が歩いて会いに来たと言う話はよく聞く。講談社の『仮面ライダー大全集』とか、最近では破裏拳竜氏がツイッターで、ウルトラセブンスペクトルマンスーツアクター上西弘次氏のエピソードとしてとかで。確かにそれは美談なんだろうが、世の中はそれでも歩けなかったり、そもそも慰問が訪ねる事もない「歩けないヒーロー好きな子」の方が多いはずである。そう思うと、なんかもやもやする。とか書いていて、今度は『TIGER&BUNNY』で描かれた「力が衰えるヒーロー」の事を連想した。直接関係するわけではないが、なぜかね。

 あるいはオレが、否応なく「自分の弱さ」や「衰え」を受け入れなければならない年齢になったから、両方とも余計気になるのかも知れんけど。とか言っても話が進まんので、ちょっと「歩けないヒーロー好きな子」の話をしようかしら。ヒーローものが、どうしても「男の子なら、正しく強く」と言う価値観に依ってる以上、上述の美談も強調されがちなんだとは思う。しかし、それが「歩けないヒーロー好きな子」をないがしろにする事に繋がるなら、ちょっと考えてしまう。これは歩けないとまでいかんでも、運動が苦手な子へのスティグマになるとかにも言えそうで。だからと言って、ヒーローものはダメだとも言えず……。ウーム。いや、仮面ライダーやゴレンジャーの原作者である石ノ森章太郎が「読者が物語の主人公に求めてるものは、理想化された自分」と言っていたくらいだから、歩けない子*1がヒーローに憧れるのは悪くない事なんだろうな。

*1:とか、運動が苦手な子。