斉藤光政『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』であふうって声が出たところ:(安倍晋太郎は)「和田(=東日流外三郡誌の作者)らに東北蝦夷の首長である安倍一族の末裔と持ち上げられ、その気になっていたという。その結果、境内に残されたのが「安倍晋太郎先生墓参記念植樹」の標識である」
— 早川タダノリ (@hayakawa2600) 2019年4月5日
「晋太郎の死後も、安倍ファミリーによる外三郡誌ゆかりの地の巡礼は続く。その一つが、和田家文書によって新しい聖地の一つとみなされた田沢湖町・四柱神社への洋子夫人の訪問(一九九三年)である」……いい文書ですね。前へ進めてください。
— 早川タダノリ (@hayakawa2600) 2019年4月5日
うわあ……。としか。そう言や竹田恒泰も、竹内文書と言う偽書について、下記の過去記事にあるように「記紀を補完出来る部分があるのではないか」と言っていたことがあったっけ。そんな事を言いつつ、「憲法学者・歴史学者・考古学者は極左だ、見つけたら蹴っ飛ばせ」とも言ってたんですよ。どんだけ「変に右翼的な人」に、トンデモが浸透しているんだ!? ああこわ。
あ、「変に右翼的な人」と言うのは、田中芳樹氏が山本弘氏との対談*1で右派系トンデモさんを指して言った言葉。右派系トンデモさんと言えば、太田龍や武田了円、志波秀宇などを思い出すが、山本弘氏などが『トンデモ本の世界』を執筆して24年、「変に右翼的な人」はますます勢いづいてしまった! 嗚呼。オレも最初に『トンデモ本の世界』を読んだ時、「変に右翼的な人」が多くてちょっと恐怖を感じた。その時はオレに何も出来やしないと思い、山本弘氏がかつて考えていた「ちょっと真面目な本」に期待をするしかなかった。この「ちょっと真面目な本」と言うのは、前述の田中芳樹氏との対談で話が出て来たもので、前後の文脈からするに、擬似科学批判本の古典であるマーティン・ガードナーの『奇妙な論理』の一章「憎悪を煽る人々」のような差別的なトンデモ本批判の本だったのだろう。だが、すぐには出なかった。確か何らかの形で世に出たと思うんだが、失念した。すまぬ。山本弘氏の言う「ちょっと真面目な本」が、もっと早く世に出ていればなあ……。
あと、『トンデモ本の世界』が発行されたのは、地下鉄サリン事件とほぼ同時。そのためオウム真理教のような連中がトンデモさんと目され、「変に右翼的な人」への警戒は手薄になった感が。山本弘氏は『トンデモ本の世界』で、トンデモさんが危険な思想を持っていても弾圧すべきでないと言った。「間違った思想が弾圧されるような時代では、正しい思想もまた弾圧される」*2からだとか。続刊の『トンデモ本の逆襲』においては、地下鉄サリン事件などを踏まえ「明確な実害がある場合を除いては、言論の自由は守らなければならない」と言っていたけど。今の「変に右翼的な人」の活況を見ると、『トンデモ本の世界』で笑えた頃が懐かしくもあるし、あの頃にもっと警戒していれば、こんな事にはならなかったかもと「たられば」も出て来る。しかしよく考えてみたら、と学会には唐沢俊一もいたので、あまり期待しても無駄だったかも。これ以上は不愉快になるので、言いたくないけど。
話をそろそろまとめるけど、オレがしょっちゅう言っている「自分の好みの価値観を、世の中の中央に据えようとする殲滅戦」は、ツイッターだけじゃなく現実でも行われていて、それは今の日本では「変に右翼的な人」の勝利に終わったのかも知れない。だとしたら、こんな悲しい事はない。トホホ。これからは「変に右翼的な人」の一部にならないよう、各自がゲリラ戦めいた事をしなけりゃならないのかも。オレは戦い抜けるのだろうか? 分からんが、やるしかない。