以下に、12年前オレが書いた文章を引用する。表記の間違い等も当時のままで。
いささか旧聞に属するが坂本衛さんのサイトの「日録メモ風の更新情報」2004年9/10・11分に「若年無業者(ニート)」について書いていた(11日分には前日分への感想メールが紹介されている)。
10日分での坂本さんのまとめ。
>1億2500万も人がいる中で若者50万がブラブラしてるだけで
>社会問題にされちまうんだから。
>私はこの国の若者たちに心底同情します。
>そんな余裕のない国をつくったのは君らじゃない、ジジイたちなのにねおおむね同意。
ところで今村仁司・著「近代の労働観」(岩波新書)には、近世フランスにおいて貧困層を「ポーヴル(良い貧困)」と「ミゼラブル(悪い貧困)」に分けて行った事について触れられていた。
ニートとされる若者の「働いたら負けかなと思っている」なんてイタい発言を、鬼の首を取ったかのように垂れ流す今のマスコミも「良い貧困」と「悪い貧困」を振り分け、「悪い貧困」に振り分けられたものは顧みなくていいんだ!と言う空気を作っているのではないか……と、「悪い貧困」に振り分けられる類の私は不安でならないのだ。
そうでなくても、「勝ち組」「負け組」とか言ったり「負け犬の遠吠え」なんて本が売れたりと、「勝ち負けとちゃうやろ、そう言う事」と言いたくなる振り分けをしているし……。本当に富んでいる者や「勝者」は、そう言う振り分けと無縁のところに居ると言うのに(「振り分け」に左右されるのは「敗者」のみ)。ここ数年ですごくイヤな世の中になったものだ。
本来は坂本衛さんのサイトへのリンクもしていたのだが、そのサイトが消滅したのでリンクはしない。しかしなー、「良い貧困」と「悪い貧困」を振り分けて云々は、ネットでよくやられている事じゃん!? 予測がこうまで的中するとは。と、同時に、予測はしてもそれをどう回避するかまでに頭が至らなかった自分の不明を恥ずばかり。ブログとかに一言書いただけじゃ、人が動く事はないのだ……。その辺でイラついているから、ネットで発言するのが辛くなる一方なんだが。ところで12年前のオレが、今の自分や社会の状況を知ったら自殺していそうだな。