走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

呪術的な表現規制論

 みなもと太郎風雲児たち』に、田沼意次追い落としを図る幕閣が、田沼が作らせた貨幣の裏側に波の模様があった事から、それが水を呼び水害を発生させたと責めるシーンがあった。「昔の人は迷信深かったのね」と最初読んだ時は思ったが、今も大して変わりはなさそうな。何って? 表現規制問題の事ですよ。いえね、性的な表現の影響を強調する側の論理も件の幕閣と大差ない気がして。具体的あるいは科学的に、影響を証明している人はいないし。

 そして前にコチラにも書いたが、「性的な表現を禁止して性的な行動を制限すれば、性犯罪や性差別はなくなる」と言うのは机上の空論に過ぎない。前述の通り、そう言う主張はどちらかと言うと呪術的な主張である。科学的に証明されてやいないんだもの。むしろ創作物と犯罪については、関係に否定的な研究の方が多いような。

 これも繰り言になるが、人はフィクションより目の前の現実により影響されるのである。犯罪への閾値が低い者は、現実の中の何かがそう思わせたのではなかろうか? と、いくら言ったところで誰にも届きやしない気がするがな……。嗚呼。