走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

日米英雄観

 カマヤン(id:kamayan)さんとのツイッターでの会話を以下に記す。まず、発端となったカマヤンさんのツイートより引用。

日本では少年がヒーローになるのは戦後の現象かと思っていたが、柳田国男によると「桃太郎」「金太郎」「一寸法師」は基本的に少年なので、「小さ子」伝承と関係しそうだ。

 それを受けた私のツイートを引用。

「車が運転出来るか」と、「銃を正しく扱えるか」もアメリカのヒーローにおっさんが多い一因になってるかと愚考します。

 なんでこう返したかと言うと、アメリカは移動するのに車がいるし、身近な武器である銃の使い方を知っているのは大人が多いのではと思ったので。

 さらにそれを受けたカマヤンさんのツイート。以下引用。

アメリカのヒーローの原型って、独立戦争の英雄(ホラ話含)と、南北戦争の英雄(ホラ話含)だと思うんだよな。普通の町のおっさんが戦争の時奮戦して、また日常に戻り、子供相手に戦争の時のホラ話を吹きまくるという。

 それに対する私の返事。以下引用。

日本も第一次大戦までは、それが活きていたような。特に山中峯太郎が、本郷義昭を生んだのを考えると?

 最後の疑問符は打ち間違い。戦争の時のホラ話と言われて、山中峯太郎を思い出した。本郷義昭を例に出したけど、『敵中横断三百里』ってのもあったし。山中だけでなく、遡れば押川春浪の『海底軍艦』に始まる六部作の小説も、西郷隆盛(明治時代には生存説がささやかれていた)やフィリピン独立のために戦ったアギナルド将軍が出て来るので、戦争から生まれたホラ話と言えなくもないし。山中峯太郎は昭和初期に活躍していたが、それから戦争を題材にしたホラ話が成立しにくくなるんだよな。空中戦艦「富士」が米軍相手に活躍する平田晋策の『昭和遊撃隊』も、戦前単行本化された時には日本人と同祖の架空の国が、A国と言うこれまた架空の国と戦う話に書き換えられたし。そして敗戦し今に至る。

 それはさておき、カマヤンさんの返事。以下引用。

そういう例があるんですね。 …「教養小説」(成長物語)が他の国では一時代を担ったの対し、日本には大正時代の吉川栄治『宮本武蔵』一作品だけで、タイミング悪く第二次大戦に突入して「教養小説」時代が流産したのも関係あるかな。

 あ、「吉川英治」の間違いを見つけた。マーそれはおいといて、これも一理あるかも。今私が書いているラノベも、主人公の成長ものになりつつあるし、主に少年少女が戦うし。それこそどうでもいいか。でも、日本のヒーローにも大人は少なくないんだよな。和製テレビヒーロー第一号の月光仮面は、主題歌にて「月光仮面のおじさん」と謳われているしな。