走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

やる気の問題

 作業所で重度の知的障害を持つメンバーが、よく私の名前を尋ねて来る。それを見た別のメンバーが私に対し、「(名前を尋ねて来るメンバーを)甘やかしちゃいけない」と言って来た。どうも名前を尋ねて来るメンバーに、覚える気がないように思ったらしい。

 件のメンバーは覚える気がないんじゃなく、知力的に覚える力が弱いのであって、ならば繰り返し尋ねて来るのも仕方ない気がするのだが。覚えたいから名前を繰り返し尋ねるのではなかろうか。

 この件に限らずある事をなかなか覚えられなかったり、上手く出来ない相手を「やる気がない」と判断するケースはよく見られるが、やる気よりも習得するまでの個人差とか向き不向きの問題になりそうな事もやる気の問題にしてしまうのは日本人の悪い癖のような。

 世の中には例えば歩きたくても歩けない人がいる。2000年ほど前のナザレの大工のせがれが「歩けない者に立って歩けと言うのと、罪は許されたと言うのとどちらが易しいか」と言っていたが、出来ない事をしろと言うのは残酷な話ではなかろうか?

 オレも勤め先でよく「やる気があるのか!?」と叱られていたが、やる気があっても上手くいかない事だってあらあな。世の中厳し過ぎ。