前回言ったとおり『曽山一寿のでんぢゃらすじーさんだけじゃねぇ!!』について、書く。ツイッターで曽山氏が同書中の作品を抜粋してアップし、その内容が気になり電子書籍を購入した。オレにとってあまりに重い話だった! 「何がよ」と言われたら、曽山氏の『でんぢゃらすじーさん』シリーズが「曽山氏にしか面白く出来ない」から「そこがダメなところ」と、ある編集者に言われたくだりが、特にと答える。オレもかつてサブカルビジネスセンター(以下、サブカルBC)で描いていた『精神障がいエッセイマンガ』を「これは、あなたにしか描けません」と、サブカルBCのスタッフに言われて有頂天になっていたからな……。あの頃はそれでもよかったが、今はもう少し踏み込んだレベルの作品を求められているからねえ。んで、曽山氏が言われたのは、でんぢゃらすじーさんが曽山氏本人にしか面白く出来ないと言う事は、ゲームや映像作品にするのが難しい*1と言う事でもある旨。編集者は、今よりすごいマンガ家になりたいなら「誰があつかっても面白くなるキャラクターを作りなさい」とも。作中、具体名は出てなかったが、そういやアンパンマンもクレヨンしんちゃんもドラえもんも「誰があつかっても面白くなるキャラクター」の域に達したもんな。そうでなければ、原作者が死んでもメディア展開が続くものか。話を戻して、オレの描いた作品のキャラクターにも、残念ながらそこまで達しているものは……。ぬおお。
オレは曽山氏の話をツイッターなどでよく言われる「自分の話は、自分にしか作れない」と対極にあるけど、件の編集者は「よりマスな作品、キャラクター」を作る上での話したまでで、別レイヤーではみたく思っている。そう思わねば、プレッシャーが酷いと言うのもあるけど。誰が扱っても面白くなるキャラクターって、そうそう出来やしないけどね……。でもまあ、曽山氏のマンガにより、オレが何を心得違いしていたかはおぼろげながら見えて来た。編集者との会話のあと、曽山氏が言われた事をどう克服したかは『曽山一寿のでんぢゃらすじーさんだけじゃねぇ!!』を読んでいただきたいと言うしかない……。要約するとニュアンス伝わらないし、ネタバレで曽山氏の営業妨害するわけにも。ただ、この辺は「キャラクタービジネス」に乗れるタイプのマンガの話でもあるんだよな……。だから「映像作品の原作改変」とは別の話だとも思う。これ以上は、上手く言えないけど。
と、言ったところで話題を替えよう。曽山氏の話に限らず、最近のオレは自分の創作にプラスになりそうな話に耳を傾ける事が増えた。「人は、ひとりでは生きられない」と言うが、マンガ描きも自分だけでやれるわけじゃないからなあ……。「自分でなんでもやってる子は、自立してるんじゃなく孤立」と言う見方があるけど、おそらく創作もそうだろう。この辺はオレの人生の後悔すべき事の大きなひとつに繋がってるから、前にも言った気はするけど、あえて言う……とまで書いたところでスマホを損傷してしまい、意気消沈の助。トホホ。
(続く)
*1:それらは、原作者が作るわけじゃない由(よし)。