ふと思って、過去に描いたマンガ２本を公開する。一本目は稲生物怪録から取材したものだが、二本目は……なによこれ。シティボーイズのコントで、斉木しげるが叫んでいた台詞「ホレイショー！」を元ネタに描いたみたいだが……。勢いでマンガになるかと思いきや、その勢いも足りん。なんてこった。描いたのは十数年以上前*1の事とは言え、汗顔の至りである。
なんでこんな羞恥プレイをするのかと言うと、過去を全部なかった事にしようとする自分と、過去をバネに出来んかと５０歳になってやっと思う自分とがせめぎあってるからだ。と言うか、二本目を描いた頃のオレ、すっかり描く力を失くしていた気がする。よく現状まで回復したもんだよ、ホント。んで、一本目だけど、すっとぼけたオチは気に入っている。しかしなー、精神が安定しなかったりいろいろあって、マンガ描きが上手く行かなかった過去が恨めしいんだチクショー。それで「過去を全部なかった事にしようとする自分と、過去をバネに出来んかと５０歳になってやっと思う自分とのせめぎあい」が発生しているわけです。どちらも、今から「描く事」の再スタートを切ろうとしている態度ですもの。たぶん、後者の方に軍配が上がるだろうけど。と言うのも「過去を全部なかった事にする」って、どう言う事よとなるから。たとえばpixivで発表していたもの、全部なかった事にするんか？ とかあって。「過去をバネに出来んか」と言うのには、過去絵を今描いたらどうなるのか試したくなるのも含まれる。人から「それは自分の劣化コピーになりますよ」と忠告もされたが、むかし表現しきれなかったものを今なら出来るんじゃないかと言う皮算用もあってね……。いや、それなら新規に絵を描いた方がいいのかな。うーむ。
過去絵と言えば、描いたデジ絵の少なくない数が雲散霧消した。バックアップやサルベージに失敗してねー。それらは涙を呑んであきらめようと言う気になるが、問題は残っている過去絵ですよ。見たら前述の「今描いたらどうなるのか試したくなる」欲が……。その前に描きかけのマンガ原稿仕上げろ、オレ。
*1:一本目が２００８年より前、二本目が２０１２年。
