今年1月2日に亡くなった、脚本家の上原正三。彼の手掛けた脚本のうち、ウルトラシリーズ……特に『怪獣使いと少年』は有名だが、今回は時代が下って、全話の脚本を担当した『宇宙刑事シャイダー』について。と言っても全話語れるわけでなく、今になってみればと印象に残っているエピソードを。まず『ユメコン狂時代だ』から。悪の組織フーマが、ユメコンと言うパソコンを使って、欲しいものを手軽に入手できるようにし、人びとを堕落させると言うものだ。ちょっと下記記事でも触れたけど。
a-katu.hatenablog.com
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オレはネットショッピングでポチる度、脳裏にこのエピソードが浮かんでなあ。上原はインターネットじゃなく、キャプテンシステムから着想したらしいんだけど。シャイダーを放映していた当時は、WWW(ワールドワイドウェブ)なんかなかったし。もうひとつ印象に残っているのは『青ガキ隊大キライ』と言うもの。「青ガキ隊」と言うアイドルを使って、洗脳ソング*1『なんだなんだブギ』を流行らせるフーマ。途中で評論家によるバッシングが入るが、それもフーマの作戦のうちで、ニセの評論家を使って世間の渇仰を煽るものであった。ちなみに本物の評論家は、なんだなんだブギを評価していた……。当時小6のオレは、この二重の仕掛けに驚いたものである。両方のエピソードとも『怪獣使いと少年』ほどの問題作ではないが、時代の読みを踏まえた佳作ではあろう。上原の東映時代の作品は、多作ゆえ評価されにくいけど、こう言うところも評価されてしかるべきかと。
*1:だと思うんだが……。