走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

社会のルールを教えない親とか

 今期の『ゲゲゲの鬼太郎』で目玉おやじが学ぶ事の大切さを語る台詞の中に、「社会を知らないと、社会そのものに騙される」と言うくだりがあった。……オレの親父とはえらい違いや。オレの親父は、「誰もルールなんか守ってないのに、お前が守る必要はない」とか言ってたからな。それじゃ世間知らずになり、社会そのものに騙される。親父は他人の悪口とギャンブルにしか興味ない人間だったし、「みんな他人ど!」と言って、オレにまで自分の人間不信を植え付けようとしていた。ロクでもないやつじゃ! 詐欺師が騙せないタイプの人間は、「車が通ってなくても、赤信号で止まるような人間」だと言う。親父はそう言うタイプではなく、車が通ってなければ赤信号でも渡る、自分が世界の全てみたいな奴だった……。こんな親父のもとで、よくヘンな方向に染まらなかったもんだよ、オレは。いや、親父がこんなだから、30年前に宗教に走ったのかも知れん。それは充分ヘンか、親父に引きずられて悪くなるのとは違った意味でな。

 それにしても、オレの親父みたいな奴の悪影響から身を守るのは難しい。家庭は外部から見たらブラックボックスだし、30年前のオレみたいに人付き合いもない者には、なおさら外部からの助けは期待出来んからな。してみると宗教に走ったのは、親兄弟から身を守るためにはよかったのかと一瞬思ったが、あそこは新約聖書(連中は「クリスチャン・ギリシャ語訳聖書」とか呼称)の、「私は平和をもたらすためにやって来たのではなく、剣を投じるためにやって来た」とか「私より父や母に従う者は、私にふさわしくありません」とか言って、親兄弟と対立を深める事を勧めたり、「そんな事言ってたんじゃ、殺されてしまう!」と反論しても、殺されてもハルマゲドン後の楽園で復活出来るかも知れないから恐れるなとか言ったり、あまり現実的な対策は取ってくれなかったな。トホホ。……むかしは、オレの味方はどこにもいなかったのか。なんて人生だ。オレ自身も、オレの味方をしてなかったしな……。

 なんか話がまたしょっぱい方向に行ってしまってるが、書けば書くほどむかしのいやな話を思い出し、心が黒く濁るのでね。景山民夫が生前、「金がない者が『世の中、金が全て』と考えるのが間違い。『金が全てじゃない』とか『金よりも大事な物があるはず』と言うのは、金がない者のための言葉」と言った事があった。幸福の科学に入信する前の言葉のはずだから、まあ傾聴に値するのではなかろうか。親父も、こんな風に考えて……いない方がよかったな。なんかそう考えていたら、小さな小さなカルトを作りそうで。