走れ小心者 ARMADA はてなブログ版

克森淳のブログ。特にテーマもなくゆるゆると。

ウルトラマンレオ鑑賞記

 8年前某日立がらみの仕事をしていた頃、毎日朝礼で『この木なんの木』を聞いていた。
 その度に私は「嗚呼これを歌っておられたヒデ夕樹さんは亡くなられたのに、歌声だけはこの世に残っているのね」とビクターの商標にもなった犬「ニッパー」のような心境になってしまう。

 そんな事をガラにもなく考えていたらヒデ氏が「平野英之」名義で主題歌『戦え!ウルトラマンレオ』を歌っていた『ウルトラマンレオ』が見たくなり、こないだ借りてみた。流石に初期の特訓シリーズや終盤の「恐怖の円盤生物シリーズ」は見ていて神経を病みそうなので、「日本名作民話シリーズ」の前半を借りたのだが…。
 シリーズの一話目は一寸法師に取材した『ウルトラマンキング対魔法使い』。実はこの話が見たくて借りたようなものだったりする。

 突如地球に出現した「怪獣人プレッシャー(劇中ではプレッシャー星人とも呼称)」。強力な魔力を持って暴れまわるのだが……。

 劇中のこいつの行動を見ていても地球で暴れる目的がなんなのかさっぱり見えてこない!!!

 マー、『レオ』に出てくる侵略宇宙人どもはほとんど行きずりで凶行に及ぶ手合いが多いけどねー……。今回でもプレッシャーがMACに追われて逃げ込んだ家の家人を人質にとり、家の中を魔力で荒らすのだが、これでは最近の居直り強盗とあまり変わらん。

 そのあとプレッシャーは巨大化して住宅街の家々を踊らせたり、その後火の玉で焼き払ったりと魔力を披露していたら当然レオと戦う事になるのだけど、プレッシャーはレオを縮小してしまい風船に詰め込んで放り捨ててしまう。そんな力がありながら何故止めをささない!?

 閉じ込められた風船が割れて川に落ちるレオ、浮いていたお椀に乗って「一寸法師」の歌に合わせて川くだり……。
 「何やってるんだ、オレ」とばかりにレオはお椀を飛び出しMACの基地まで飛んで帰る。

 「へろへろへろへろ……」という効果音とともに。

 モロボシダンMAC隊長の前に姿を現すレオ、「オマエは2分30秒しか変身していられないはず」とダン隊長に訊ねられ、「どうやら小さくなった分だけ、長く変身していられるみたいなんです」と答える。あのね……。

 そのころ地球上では、相変わらずプレッシャーが暴れていて、今回のゲストキャラの少年と母親(その描かれ方はお決まり極まりない教育ママ)にもその魔手が迫る。でも、最初にプレッシャーが逃げ込んだのも彼らの家…。
 少年は母親だけ逃がそうとプレッシャーに向かっていくが、反対に踏み潰されそうになって「お母さん、助けてーっ!!」と叫び出す。

 そんなら最初っから余計な事をするな。

 駆けつけたダン隊長の懐から飛び出しプレッシャーと戦うレオ。この時ダン隊長に抱きかかえられていたレオや、川でお椀に向かって泳いでいたレオは当時市販されていたレオのおもちゃの流用…。

 縮小させられたレオの抵抗空しくMACや視聴者にもどうしようもなくなった時、雷鳴をとどろかせてレオの故郷獅子座L77星でもM78星雲ウルトラの国でも伝説として語り継がれてきた超人「ウルトラマンキング」が登場。打ち出の小槌を模したアイテム「キングハンマー」を振るいレオのサイズを元に戻す。この辺はまたしても「一寸法師」の歌に合わせて展開する。

 キングはそればかりか初対面のレオに自らはおっていたマントをブレスレットに変え、気前良くプレゼントする。どうせならワシにもなんかくれ。(ドサクサにまぎれて何を言い出すのか)

 レオはそのブレスレットを洋傘状の武器「レオブレラ」に変形させプレッシャーの魔力を打破、そのまま胸板を突き破りキングと一緒に光線を浴びせてプレッシャーを倒す。やれやれ、一時はどうなるかと心配したがどうにかケリがついた。

 この話は本放映当時、「内山(うちやま) まもる」氏によってコミカライズされたのだがレオが閉じ込められた風船が勉強中のゲストの少年に回収されて、助け出されたレオと同じく縮小したプレッシャーが「トムとジェリー」ばりの追いかけっこを展開したり、レオ救援に駆けつけたキングはプレッシャー相手に「こしゃくな。おろかものめ!」と余裕のセリフとともに指を鳴らすや天変地異を引き起こし圧倒したりと本編より楽しめるシーンが多かった(私は後年の小学館てんとう虫コミックスで読んだが、これは『小学二年生』『小学三年生』それぞれの版を合わせたものとか)。

 はっきり言ってこちらのコミカライズの通りに映像化した方が良かったぞ!!しっかりしてくれ円谷。

 話を戻して、プレッシャーを倒した後のナレーションは次の通り。「このブレスレットにはまだまだ不思議が隠されているんだよ、レオはますます面白くなるねぇ」。

 なんかこのナレーション聞いた時、わたしゃ泣けてきましたよ。

 あと、「強いぞ!桃太郎」という話と「帰ってきたひげ船長!」も見たが流石に続けて語る気力は…。「帰ってきた……」の方は「ウルトラセブン」の「ノンマルトの使者」や「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」に通じるテーマが描かれていたので驚いたけど。これらに関しては気が向いたら書くかも知れない、読みたければ感想を送るように。

 ところで、「レオ」のナレーターを担当した「嵯川 哲郎(さがわ・てつろう)」氏はイギリス製SFドラマ「スペース1999」の主人公「ジョン=コーニッグ司令」の吹き替えを演じた事もある。流石に「スペース1999はますます面白くなるねぇ」とは言わなかった……とは思うが全部見ていないのでわからんですけどね。

 ……この文章書いてから8年、当時はまさか小泉純一郎ウルトラマンキングの声を当て、ナイナイ岡村がプレッシャー役をやる映画が作られるとは思ってもいなかったぞ。